「3人娘」と言えば、少し前までは水谷良重・黒柳徹子・横山道代のことを指していたが、今ではすっかり新しい方が定着してしまった。言うまでもなく、美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみの3人である。
ひばりは皆さんご存知の通り、天才少女歌手の名を欲しいままにした国民的人気者。今年の1月も大阪公演の入場券を求めて並んでいた大勢のファンが将棋倒しになるという事件が起きたほど、その人気は凄まじい。
チエミは小さい頃から進駐軍のキャンプを回ってジャズを歌い、昭和27年に発売したレコ-ド「テネシーワルツ」が大ヒット。
そして、いづみはチエミ同様、進駐軍のキャンプ回りやダンスホ-ルで名をあげ、昭和28年に「想い出のワルツ」でレコ-ドデビュ-した。
彼女たちが「3人娘」となるきっかけを作ったのは、雑誌「平凡」だと言われている。昭和29年5月号で、3人の対談が実現しているのだ。
その翌月号から「ジャンケン娘」という連載小説がスタ-トし、それは3人の共演で映画化された。昨年11月に公開されたこの映画は、ご存知の通り大ヒット。本年8月にはシリ-ズ第2作として「ロマンス娘」も封切られた。
初共演した映画のタイトルをとって、彼女たちを「ジャンケン娘」と称するファンも多い。