ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団…。
今、子供たちは月曜から金曜まで毎日放送されている、ニッポン放送の「ラジオ劇 少年探偵団」を聴くことが、日課になっているといっていい。
帝都を震撼させる謎の怪人の出現と、稀代の怪盗・怪人二十面相の悪巧み。それに敢然と立ち向かうのは、日本一の名探偵・明智小五郎と優秀なる少年助手・小林芳雄少年、そして、そのもとに結成された、我らが少年探偵団だ。
毎回のように、変装の名人・二十面相が仕掛けた恐るべき罠に苦しめられる少年探偵団の団員たち。しかし、彼らだって敗けてはいない。持ち前の智恵と勇気で危機を脱出し、時には二十面相以上のトリックを使って、逆襲に転じてみせるのだ。
世にも怪奇な事件に、スリルとサスペンス、そして、胸のすくような活躍と、あっと驚く意外な真相-これらを兼ね備えた物語に夢中にならないはずがない。
少年探偵シリ-ズのラジオドラマ化は今までにも何回かされてきたが、ここに来て、人気が一気に爆発したという感じである。
それに漫画には批判的な大人たちも、このシリ-ズにだけは不思議と好意的だ。原作が小説というのもあるけれど、第1作の「怪人二十面相」が発表されたのが、20年前の昭和11(1936)年。つまり、今の大人たちも子供の頃、このシリ-ズに夢中になっていたのだ。
新しすぎて自分たちには理解できないモノに対しては「くだらん!」と一蹴するけれど、共感できるモノには好意的-大人とは、まったく持って現金なモノのである。