電動玩具花盛りの昨今だが、その決定版ともいうべき商品が、昭和30年に増田屋齋藤貿易より発売された。
それが「ラジオコントロール・バス(オ-ルズモビル55年型)」である。受信機を内蔵したバスと、箱型の送信機から発する無線電波でバスを操縦することができる。
ちなみにバスの動作は、直進、右折、左折、停止が可能だが、後退はできない。また、バスと送信機には、それぞれ単1電池3本が必要である。
問題はこの玩具の価格で、1セットなんと4500円。高卒の初任給が、確か同じぐらいだったと思う。いずれにせよ、子供がおいそれと買える金額ではない。
ラジオといえば、今年8月に東京通信工業が発売した、日本初のトランジスタラジオ「TR55」も衝撃的であった。
その大きさは、横140ミリ×高さ89ミリ×奥行39ミリという超極小サイズ。重さなどはたった560グラムしかない。単3電池4本で動くので、外に持ち出して聞くこともできるという、まさに夢のようなラジオなのである。
何故こんなに小さくできたかというと、真空管を使わずに「半導体トランジスタ」とかいう物を使って作ったからだそうだ。よくわからないが、きっと凄く素晴らしいものなのだろう。
ラジコンバスといい、トランジスタラジオといい、最新の科学技術には舌を巻くばかりだ。