言うまでもないことだが、プロ野球観戦のため、球場に足を運べる子供など、ほんの一握りだ。
普通のガキは、雑音だらけのラジオにかじりついて実況中継を聞くより他に手はない。いずれ将来、テレビジョンで映像つきの中継が見られるようになるかもしれないが、そんなもの遠い将来の話だ。
ご存知の通り野球の実況中継というのは、凄まじく忙しない。「ピッチャ-第4球を投げた…、打った!打球はセカンドへ、その間に1塁ランナ-3塁へ回る、ようやくライト追い付く、送球は3塁へ、逸れた。セ-フ、セ-フです!」
だいたい、こんな感じでアナウンサ-は一気に畳み掛ける。そこに解説の小西氏が「え~、なんと申しましょうか~」と始めると、一気にテンポが崩れて…和むのだ。
それにしてもこの人、つい5年前には松竹ロビンズで優勝監督になった人物である。してみると、彼はボケているわけではなく、冷徹な計算の元に発言しているに違いない。恐ろしい男だ。