風呂掃除をする前、洗面所に置かれたデジタル時計を見ると、いつもよりも一時間ほど早いことに気が付く。

一瞬の間、時計が狂っているのかとも思ったが、どうやら間違えて一時間早く起床していたようだ。

 

 

見ていたのか、見ていなかったのかも判然としない夢の世界と、いつもの毎日の光景とが混ぜこぜになった寝起きから、歳のせいかやや強張った体を起こし、しばらくの間ベッドの縁に腰掛けながら呆然とする。

 

まだ夜中なので辺りは暗く、静まり返っている。

そして、今日はなにやらひんやりと肌寒い。

 

中空にぶら下がっている電灯のコードを引き、明かりが灯ると、夢うつつの世界から追い出され、瞬時に現実や日常に引き戻される。この一瞬がいつも残念で仕方がない。

 

戸棚の引き出しからキャットフードを取り出し、まだ半分眠っている足どりで、どたどたとテラスに置かれた皿にフードを入れに行く。

 

冬の間はテラスで寝起きしていた野良猫のコテツも、暖かくなってきた季節の到来とともに寝場所を変えたようで今朝も姿は見えない。

 

朝食を摂り、洗濯機を回し、歯を磨き、顔を洗い、髭を剃り、表のお稲荷さんの水を替えに出、猫のトイレを掃除し、風呂掃除にとりかかる。

 

ふと窓の内枠に置かれた時計を見ると、まだ三時にもなってないではないか...

 

そういうことで、今日は朝から一時間得した気分になっている。