霜月や 耐えて千年 大檜

三島由紀夫が生きていれば米寿を迎える。
43年前の11月25日水曜日、市ヶ谷にて自刃。
45歳の生涯は、金閣寺の生涯に嫉妬した。
不動の、ものいわず族は、黙して時を告げる。
満月や 月光菩薩に 煌々と

今年10番目の満月が、昨夜の月。
地方によっては、沢庵をコウコとかガッコと呼ぶが、沢庵の切り口のような月が、家路を急ぐ都会の小菩薩達を照らしていた。

ハリケーン ニューヨークを 来襲

1938年10月30日PM8時15分。

オーソン・ウエールズのラジオドラマ、

火星人の来襲で全米大混乱。

この大混乱を起こしたラジオ媒体が、

ナチスのプロパガンダに利用される事になる。

嘘か真か?

朝ドラの愛(いとし)だけが知っている。

台形の 寒曳山に 冬近し

富士山を六合目あたりで、すっぽり切ったような形の寒曳山。

雪深い芸北に冬将軍が腰を下ろす台地。
最近は、冬将軍も派遣か?

暖冬に押されて肩身狭し。

松阪の 秋はやさしい 深夜便

渥美半島は渡邊崋山の田原から、伊良湖・潮騒の神島を眺めながら、松阪まで伊勢湾を渡ったのは30年も昔の事だった。

ゲスト牧伸二さん78歳、小倉久寛さん57歳のラジオ深夜便、面白楽し。 

感慨に ふける間もなく 秋の風

「日々産業革命」ほどの便利さの追求は、人間を幸福に導くはずが、ガレー船の奴隷の漕ぎ手のごとく忙しくさせる。

そのスピードたるや、今年もあと67日。

しころ打つ 砧の女 世田谷区

唐土に蘇武と云いし人。

胡国とやらんに捨て置かれしに、故郷に留め置きし妻や子、夜寒の寝覚を思いやり、高楼に上って砧を打つ。

(謡曲)砧は世田谷区。

秋の日を 包んで見せる ピエロの目

太陽という映写機が、光速で8分漆黒の先にある地球のスクリーンに、映像を照らし出す。

出会いが、向こうからやって来て、微笑みをハンカチで包み、やがて別れがきて、涙を同じハンカチで拭う。
そんな堀口大学の世界。

鶏頭の 花の上には 青い空

庭鳥も見なくなったが、

鶏頭の花も珍しい。
時代が巡れば存在も巡る。

全ての存在は体内時計をもって生かされている。

美麗は短命であるからにして、

朽ちていく時間を知らない。

シシ撃ちが 銃弾二発 轟かす

星々を オパールの如 鏤めて

終列車 赤いランプの 深夜便