先日、貴族の乗り物(タクシー)に乗る機会があった。
 
普段は決して乗る事のできないこのピカピカの漆黒のボディに、私はすごいすごいとテンション高く乗り込むも「お荷物はトランクへ」と冷静に言う運転手さんに先ほどは、はしゃいじゃってすいませんという気持ちで荷物をトランクへ。この時、後部座席のドアを開けてトランクまで荷物を運んでくれる運転手さんはとてもクールガイだった。
 
落ち着きを取り戻した私は田舎者と悟られないよう気丈に振舞ったが、本当は車内をバシャバシャとアイドルの撮影会の如く写真に収めて、あとでお兄ちゃんに自慢したかった。
 
そんなことを考えながら、せめて心には焼き付けようと車内を見渡す。
綺麗に保たれた車内には塵ひとつ落ちておらず、衛生管理がとてもよく行き届いていた。
さらには後部座席でもシートベルトをお締めくださいと私の安全にまで配慮する徹底ぶり。
やはり貴族の乗り物はすごいと再認識した。
 
再びテンションが上がってしまった私は、ここを曲ってくださいと私が言うと一呼吸おいて「かしこまりました」と渋い声で言うだけでもなんか運転手さんがとてもカッコよく見えてしまう。
かすかに聞こえるラジオや時折入る無線の声、私の指示に渋い声でかしこまる運転手さん。とても乗り心地が良く、いつまでも乗っていたいと思えるほどだった。しかし、だがそうは思っても私の家まであと少し。この道を曲ればすぐそこだ。
私は最後のかしこまりましたを聞くべく右折の指示を出した。
 
やはり一呼吸おいて「かしこまりました」と言う運転手さん。そしてタクシーはきれいな輪を描いて左折した。
 
私「え?あれ・・・?あ、すいません・・・今の右です・・・」
運転手さん「え?あ・・・・すいません・・・」
 
きっと運転手さんも私と同じ気持ちだったのだろう。この居心地の良い空間を少しでも、道を間違えてでも私と共有したかったに違いない。
そう思うとこのダンディーな運転手さんが少しかわいく思えてすらきた。
 
 
けどメーター止まってなかったからその分のお金は取られた。貴族の乗り物はやっぱりいろんな意味ですごいと改めて再認識した。
 
 





 
 
 
 
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