スペイン内戦(1936~1939)について↓
●内戦は、一九三九年四月まで続き、反乱軍側の勝利で終わりますが、この内戦の特徴は、左派政権側にも、右派の軍隊を中心とする反乱軍側にも、国境を越えた味方がつき、それがさらに内戦を大きくしていったことにあります。(第4章オーウェル「一九八四年」――高橋源一郎)
当時「100分de名著メディアと私たち」(番組特番)をみていて、とても興味深い内容でした。ただ、安倍政権のなか政権に忖度するばかりのメディア報道に陥り、そこを危惧しての企画と思います。
ロシア・ウクライナの戦争が起こり、ワイドショーみればウクライナに寄り添いロシアの蛮行をさらす報道に違和感を持ちはじめました(最近気づいた感覚ではありませんが・・)。その「メディア報道」ということで、特番をもとにした100分de名著の本をまた読み始めたわけです。
そうしたら、見事にいまピッタリの本でした。
本の中で取り上げられてる名著は、「世論(ウォルター・リップマン)」「イスラム報道(エドワード・サイード)」「空気の研究(山本七平)」「一九八四年(ジョージ・オーウェル)」。
「メディア報道」がメインテーマなのですが、4冊とも戦争がテーマじゃないかと・・。
最初にあげたスペイン内戦について、反乱軍側にはナチス・ドイツ政権にはソ連(共産党)と、内戦(国内の戦い)でありながら国境を越えた味方がついたりしました。また反乱軍側と戦うよりも、共産党系とその他のグループの足の引っ張り合い(ポジション争い)が起こったようです。ジョージ・オーウェルはそのスペイン内戦に参加したことが、一九八四年を書くきっかけ(または人生に影響を与えたきっかけ)になったそうです。
自らの正義のぶつかり合いが戦争であり、そこに情報戦が繰り出されます。ただ、こちらに不都合なことをさらけ出す正義は、つぶされる・・。
無意味に犠牲者(戦地にいなくとも)が増える一方で、得をするのは大手メディアやそのスポンサーだったりする。いま起こっているロシア・ウクライナも全く無縁なことでしょうか。
(他の3作品も読みごたえあり。番組のキャスティングはすばらしかった!)
別冊NHK100分de名著 メディアと私たち | NHK出版 (nhk-book.co.jp)
by ゴータイ