2010年9月19日(日) - 1 -


母が倒れてから 48 時間経過している。
意識がないため、付き添っていても意味もなく、ただ様子を見ることぐらいしかできないため、本日は午後から病院に行くことにしていた。午前中は隣町の魚市場までお寿司を食べにいこうかと。約半年前に、母と妻と3人で食べに行った思い出がある。


電車の本数が少ないため、何時の電車で向かうかスケジュールをたてていたところで、携帯が鳴った。まだ9時前でだる。電話は妹参号からだ。


『今から妹弐号を連れて1階のお片づけの手伝いに行きます』そんな内容だった。


ほんとになんなんだ?別にお願いしてないし、まだ片づけるには早いだろ?
妻も予定していたスケジュールをつぶされて不機嫌だ。


数分して、弐号と参号が車で到着した。玄関に入ってくるなり2人は驚きの行動にでた。
玄関を見渡すなり、玄関から棺を入れることができるか、幅と高さを手で作って弐号と話し合いを始めたのだ。そして言い放った言葉。


「この棚が邪魔だね、この棚がなければ大丈夫。入れられるね」
「そうだね」


驚いた。
母はまだ病院で闘っている。生きている。
なのになんなんだ?
なんていう会話をするんだこの人達は。しかも、実の息子の目の前でだ。非常識にもほどがある。


しばらくして妹参号から連絡を受けて片づけの手伝いをするよう言われた父も到着した。


妹参号は私に、葬儀屋とお寺はどこにするかあらかじめ決めておけという。
ほんとになんなんだ。まだ亡くなってないし。
しかも、長年東京に住んでいる私に地元の葬儀屋の善し悪しなんてわかるはずもない。


言いかえれば、妹参号の言うがままにするしか選択肢がないというのが実情。
父がまともな人であればどんだけ助かったことか。


ただ、いざ、なにかあったとき、東京にいる私に代ってすべての段取りをできるのは妹参号をおいて他にはいない。ここがまた口惜しい。しつこいが、父がまともな人であればどんだけ助かったことか…


父が、そんなに急いで片づけなくても、ちょこちょこ片づけておくから大丈夫。帰っていいよということを柔らかく伝えると、弐号と参号の反撃がすごかった。


「そんなこと言って、病院から今連絡があったらどうするの?」、「夜中だったらどうするの?」、「すぐにここに連れてこなきゃいけないから掃除なんてしてられないんだよ!?」


ものすごい剣幕である。
ここまでくると、掃除して片づけたい別の理由があるとしか思いえない。