俺は家に帰る途中も、さっき起こったことが目に焼きついていて、激しく動揺していた。

そうしている内に、家に着いた。

「さあ、着いた。まず、聞きたいことはなんだ。」

「・・・」

聞きたいことは山ほどあり、どれから聞けばよいのか分からなくてふと思ったことを最初に聞いた。

「あんたは俺の前を歩いていたが、迷うことなく家に着いた。どうして俺の家を知っている。」

「知っているに決まっているだろう。さっきも言ったが、私はお前の護衛を白夜から頼まれたんだ。お前の家を知らないでどうやって護衛するんだ?」

「あ、そうか・・・」

どうやら俺は相当動揺してるらしい。こんな事、聞かずとも分かった事なのに。

「じゃあ、さっきのはなんだよ。あの男が指から出した光線は?」

「お前、まさか魔術を知らないのか?」

「魔術、だって?」

「そうだ、あれは魔術だ。」

「そんなものを信じろというのか。」

「信じるも何も、実際にお前はその目で見たじゃないか。」

「でも・・・」

「それに、お前の父親である白夜も魔術師だ。」

「え、親父が?」

「そうだ。それに、白夜は多分、最強の魔術師だった。」

「だったって・・・親父はまさか」

「あ~、違う違う。死んではいない。ただ、ある魔術を使ったせいでマジッグエナジーを一つ失ってしまい、最強ではなくなっただけだ。」

「そうか。親父はまだ生きてるんだ・・・」

「多分な。まあ、最後に会ったのは3ヶ月前だから生きているだろう。」

「それで、親父は今どこに?」

「それは私にも分からない。世界中を飛び回ってるからな。」

「母さんが亡くなった事を、親父は知っているんだろうか。」

「多分知ってるだろうな。あいつは月に一回、テレパシー会話でお前の母親と話してると聞いたことがある。」

「そうだったのか。全然知らなかった。」

「お前、ひょっとして白夜のことを覚えてないのか。」

「ああ、物心つく前に親父は家を出て行ったから。」

「そうか。まあ、それはお前たち家族のためだな。」

「何故そう言い切れる?」

「考えても見ろ。お前は最強だった魔術師、神崎白夜の息子だ。組織の連中はお前の存在を知ったら、喉から手が出るほど欲しいに決まっている。だから、お前の存在がバレないように、どこか遠くに行ったんだろう。」

俺は幼い頃から親父を憎んでいた。何故俺にだけ父親がいないんだ、って。

そして母さんを一人にして寂しい思いをさせやがってと。

でも、お金は毎月口座に入ってきていたからどこかで働いているんだろうと思っていた。

まさか家を出た理由が俺だったなんて・・・

「じゃあ、何故俺の存在がバレたんだ?」

「それは・・・私にも分からない。どこかから情報が漏れたのか、誰かが横流ししたか。まあ、バレたものは仕方がない。これからは私が護衛&特訓してやるから大丈夫だ。」

「特訓?」

「そうだ。組織の連中がお前を狙うのは、その潜在能力の高さ故だ。ならば、その潜在能力を引き出して組織の連中が手が出ないほどお前を強い魔術師にすればいい。」

「俺が、魔術師に・・・」

「そうだ。お前は親父を超えられるほどの素質がある。」

「でも、俺なんかにできるのか。そんなことが。」

「出来るさ。私が保証しよう。」

そんな訳で、俺は魔術師になることになってしまった。

magic2 end