私の外反母趾闘病記~術後1年が経過、ランニングにより一日のスタートが始まる生活は続いている | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

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医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

今日から4月です。

 

新年度の始まりです。今月から新たな職場或いは学校で新しい生活が始まる方も多いと思います。しかし、新型コロナ感染症の第6波は中々収束する兆しがなく、感染者数は下げ止まっています。

 

3回目のワクチン接種が政府が想定した通りには進んでいない事も大きな要因だと思います。又、まん延防止措置が全ての都道府県で

解除された事も一つの要因ではあるでしょう。

 

最も大きな要因はオミクロン株の派生型「BA.2」への置き換わりが急速に進んでいる事だと思います。感染対策を徹底するしか、今の

時点では有効な対策はないようです。

 

コロナ禍に突入してはや2年以上が経過しています。日本人はマスクを着用する事に対する抵抗が少ないので、野球場やサッカースタジアムでも観客は沢山入っていますが、マスクをしていない方はほぼ皆無なのは凄いなと思います。

 

私は医療従事者にして個人事業主でもあります。今は日帰りで買い物に出掛ける程度の事はしますが、泊りがけでマラソン大会に出場しようという気には正直なれません。

 

昨年12月に3回目のワクチン接種を受けていますので、6月には4回目のワクチン接種を受ける事になりそうです。少なくとも今年は自宅以外ではマスクを着用し続ける事になると思います。

 

さて、私は2021年4月1日に東京都町田市にある南町田病院で両足の外反母趾の手術を受けています。執刀して下さったのは「足のクリニック表参道」を経営している桑原靖先生です。

 

術前、術後の足の状態をアップします。

 

術前

 

術後1ヶ月

 

術後3ヶ月

 

術後6ヶ月

 

術後9ヶ月

 

術後1年

 

日常生活には何の支障もありません。但し、右足が余りにもどうもないので、それに比べると左足の示趾には若干の違和感は残っています。

 

どんな靴でも履けるとは思っていますが、インソールをもう一つ作成するのは1年半ほど経たないと保険の問題があって出来ませんので、いつもインソールを入れているランニングシューズを履いています。

 

ソックスは五本油ソックスをいつも用いています。手術前は五本指ソックスを履くのは左に関しては困難でしたが、今は問題なく履く事が

出来ています。

 

雨が降らない日は午前5時過ぎから自宅の前の道路を13キロほど走っています。雨が降る日は完全休養にする事もあれば、自宅でスピンバイクを漕ぐ事もあります。

 

2020年12月が桑原先生から初めに提示された手術予定日でしたが、この時は全国的にコロナの新規感染者が増加傾向(第4波)にありましたので、キャンセルさせて頂き、4ヶ月後に手術を受ける事になっています。

 

手術を受けるにあたっての大まかな流れを記しておきます。

 

手術の約2か月前ぐらいに南町田病院を受診し、術前検査を受けます。桑原先生が外来をなさっているのは土曜日の午前中ですので、

地方から手術を受けに行く方は前泊した方がいいと思います。東京都内とはいえ、南町田病院に行くのはそこそこ時間が掛かります。

 

尚、私の場合は手術が4ヶ月延期になったため、入院時に術前検査を再度受ける事になっています。

 

手術は毎週木曜日に行われます。1日に3名の方が手術を受けます。年上の方から順に手術を受ける事になっているようです。私は

一番に手術を受けましたので、午後には病室に戻っています。

 

手術当日は予想以上に痛みが強かったです。痛み止めを服用しても中々痛みが引かず、夜も熟睡する事は出来ませんでした。

 

手術翌日の金曜日になると痛みはかなり和らいできます。又、朝食が終わったら直ぐにリハビリテーション担当のスタッフの方が病室に

いらっしゃいます。

 

そして、歩行訓練や階段の昇降訓練を行います。抗生物質の静注投与は手術翌日の夕方まで行われますので、前腕にサーフロー針は

留置されています。

 

しかし、特殊な装具を使用する事はなく、アマゾンで購入したニューバランスのサンダルで病院内も自由に移動できますので、お昼に1階の売店に行く頃にはもう病人という感じではなくなってきます。

 

午後からは看護師さんが入浴の介助をして下さいます。抜糸まではシャワー浴しか行う事が出来ませんので、入浴に際しての注意点

などを指導して下さいました。

 

術後2日目の土曜日の午前中には退院する事が出来ました。尚、土曜日の午前中に南町田病院で外来をなさっている桑原先生が病室に足の診察をしに来て下さいました。

 

大抵の方は3泊4日の入院で済むと思います。しかし、両足同時に手術を受けた場合は、電車移動で空港まで行くのはちょっと厳しと思います。東京駅まで出て、新幹線で帰るなら何とかなるかと思います。

 

病院から出た後、私は南町田グランベリーで東京に住む長男と合流し、銀座で食事をしています。羽田空港まで長男に付き添ってもらいましたが、搭乗ゲートまでは自分の足で歩いて行きました。

 

私は手術に際しての移動にはタクシーを随分利用しました。お金は確かにかかりましたが、電車移動よりは足の負担を軽減する事が

出来たので後悔はしていません。

 

まだ創部が気になるので、普通には歩けませんでしたが、車椅子を借りたり、杖をついたりするような事はなかったです。山口宇部空港には妻が車で迎えに来てくれました。

 

術後4日目の日曜日は仕事もお休みでしたので、家でゆっくりする事が出来ました。車の運転だけはどんな感じなのか練習していますが、さほど問題はなかったです。

 

但し、私の場合は左足が酷い状態でしたので、サイドブレーキを踏みこむのが怖くて、暫く右足で踏んでました。

 

術後5日目の月曜日からは普通に働いています。以前にもブログに書きましたが、私は通常の外来診察だけでなく、施設や患者さんの

自宅などにお伺いする訪問診察を150名ほど行っています。

 

術後も訪問診察を普通に行う事が出来るかどうかが非常に心配でしたが、何とか無事に行う事が出来ました。但し、術後2週間弱は妻に

運転手をお願いする事はありました。

 

又、診察室にも足を乗せる台を置き、患者さんに失礼にならない程度に、足を挙上しながら仕事をしています。

 

術後3週目に抜糸を行ってもよいとの許可を得ています。自分では出来ないので、たまたま当院に地域医療の実習に来ていた医学部の

学生二人に抜糸をしてもらいました。

 

彼らは抜糸をするのは初めてだと言ってましたが、二人とも初めてとは思えぬ手捌きでした。私も勿論助かったのですが、彼らに与えた

インパクトも大きかったようです。

 

地方から上京して手術を受ける方は抜糸のために東京に行くのは大変だと思いますので、お近くのクリニックなどで受けた方が無難

でしょう。

 

術後4日目からデスクワークだけではなく、訪問診察などの歩行を必要とする仕事に従事したため、創部に負担がかかり、創部が離開

するかもしれないと危惧していましたが、幸い創部は問題なく生着しています。

 

手術後の診察ですが、手術後約6週経過時に原宿にある「足のクリニック表参道」を受診しています。この時は帰りの飛行機までの時間的余裕がなく、桑原先生の診察を受け、オーダーメイドのインソールを採型する事しか出来なかったです。

 

2回目の受診は術後約3ヶ月経った頃です。この時は帰りが遅くなってもいいように、北九州空港を利用し、上京しています。山口宇部

空港に比べると、かなり遅い便があるので、時間的な余裕は十分ありました。

 

術後経過は順調だったので、あっさりこの日を持って、「足のクリニック表参道」の受診は終了となりました。

 

手術の日程変更がなければ、南町田病院に術前1回、手術のための入院の計2回、足のクリニック表参道に術後2回受診すれば、私ぐらいに酷い外反母趾の方でも何とかなります。

 

ご覧になった方もいるかもしれませんが、先日NHK教育の「チョイス@病気になった時」という番組で外反母趾の事を取り上げていました。非常に興味深い内容でした。

 

しかし、この番組で紹介されていた「デルモ手術」という術式は確かに画期的かもしれませんが、桑原先生の行う手術である

「 Chevron(シェブロン)骨切り」と比べたら全然違います。桑原先生の凄さを改めて感じています。

 

 

術後の運動ですが、術後4週経過した頃から許可を得て、ジムでの運動を再開しています。又、術後12週を経過した頃から許可を得て

屋外のランニングも再開しています。走れる距離も月を追う毎に伸びていますし、スピードもアップしています。

 

現在は母趾の操作を行うために出来た創はほとんど目立たなくなっています。しかし、左足示趾の操作を行うために出来た創部は跡が

残っています。

 

術前の状態を考えれば、今の状態は信じられないぐらいに改善しています。3月は300キロちょい走っています。私はランニング中毒なので、走り過ぎてしまいます。そのため程度は極軽いですが、足の裏に胼胝が出来ています。

 

走行距離を減らし、足への負担を軽くすれば、胼胝も改善すると思っています。

 

最近、東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンが参加者にPCR検査を行う事を義務付けて大会を開催しています。市民マラソンも次第に開催されるようになればよいなと願っていますが、私はまだ出場しようという気持ちにはなれません。

 

今は体型を維持するために走っています。フルマラソンに関しては11月に行われるであろう下関海響マラソン、12月に開催されるであろう

防府読売マラソンには出場したいと考えています。この二つは山口県内で開催される大会だからです。

 

世界がコロナ禍に喘いでいる中、私自身も年を重ねていますので、フィジカルの低下は正直否めません。もうウルトラマラソンには挑戦

する意欲がなくなりつつあります。

 

一時はもう走る事を諦めなければならないかと思った事もありますし、今でもあんまり無理しすぎると足によくないとは思っています。

しかし、早朝に走り、心を整えてから仕事に向かうライフスタイルは可能な限り続けたいと思う今日の私です。