秋田弁講座(1) | かぶり俺でGodhandな「俺」のブログ

秋田弁講座(1)

ついに…秋田弁講座を始めることにした。(爆)
いや、特にきっかけなんてのは無いが、ちょっと思いついて…(笑)
しかも!カテゴリまで作ってしまったからには、いちおうきっちりやってければと思う。
が、今日は記念すべき(?)第1回目。
概論として、そして、これからここに書いていく上での、いや、お読みいただき、実際にマスターしていただく上での注意点、読み方、考え方などを…。
基本的に秋田弁ってのは、「ず~ず~べん」と呼ばれる事が多い言葉である。よって、標準的仮名遣いでは表記不可能(正確なニュアンスを伝えられない)言葉である。したがって、ここでず~ず~べ
んというものの、基礎、発音における注意点をいくつか述べ、その後基本的な活用、そして、実際の秋田弁をマスターしていただけるよう、より分かり易く回折していければと思う。
本日は、まず、基本中の基本。「ず~ず~べん」使用時の注意点と、その正確な発音について。
いわゆる「ず~ず~べん」とされるのは、東北訛り(なまり)だ。なぜか東北6県に限定されて使われる事が多い。
が、実は同じ東北地方でも、「ず~ず~」具合は全く違う。
私が思うには、青森県、秋田県の度合いが強い。そして、山形県が続いている感じ。他岩手県、福島県、宮城県は、そんなに「ず~ず~」している感じは受けない。
そして、なぜに「ず~ず~べん」と言われるかと言えば、おそらく「い」行の言葉を発する時、独特の発音だからだと思う。
ず~ず~べんマスターになるためには、その「い」行の正しい発音を身につけていただくことがとても大切であり、また、必須ともなってくる。
よく「東北の人が物を話すとき、あまり口を開かないのは、寒さのせいで凍ってしまうからだ」なんていう暴論?を言う人が居る。しかし、私が思うにそれは明らかな偏見であり、全く持って承服しが
たい。もしもそうなら、ロシアの極寒地域に住んでいる人や、アラスカに住む人たちの全てが「ず~ず~べん」を話しているはずであり、そうでは無い事を考えると明らかな誤解であると言わざるを得
ない。
さて、発音についてであるが、英語的発音に近いとお考えいただけるとすこし、わかりやすいかも知れない。
下に書く単語をなるべく正しい発音で読んでみていただきたい。
System
Sister

上の場合、スィステム、スィスターとなるが、「ィ」をきっちり読むことはそんなに無い。発音に忠実に書くとすれば「スステム、すすたー」に近い。
その最初の一瞬の「ス」がず~ず~べんにおける「し」となるのである(爆)
とは言ったが全く持って「し」を「す」と置き換える事はできないのが原状だ。「す」にほんのすこしだけ「ぃ」を混ぜた感じ。それが「ず~ず~べん」の「し」となる。
そして…ず~ず~べんにおいて最も特徴的なものとして、濁点がとても多くなりがちだということがある。
なぜか、秋田弁を話す場合、濁点がとても多くなる。そして、その濁点の多さと、上に書いた「ず~ず~」した発音が程よくミックスされたとき!!
それが「ネイティブなず~ず~べん」に聞こえる!!…と思う(爆)
どれだけ秋田県人が濁点を愛してしまってるかと言えば…。
牛→べご
大根→でご、または、でぃぇご
堅い→かで
…こんな感じ。後ろにはなぜかだいたい濁点がついてしまう。もちろん付かない言葉もたくさんあるが、基本的には、ついてしまう事が多い。
そして、秋田弁では、名詞の後に「っこ」がつく事が多い。
水→みずっこ
酒→さげっこ
鳥→とりっこ
…こんな感じ。
そして、これまた特別だとは思うのだが「ん」から始まったり、言葉の間に「ん」として使われたりと、「ん(ん)」の使用頻度が高い。
貴方→あんだ、または、んが
水→水っこ→みんつこ
「まーまー、お座りください」→まず、座れ→まんつ、座れ→まんつかねまれ
では、今日書いてきた事をふまえて日常会話の一つを…。
「いっや~~。よぐきてけだもんだいな~~…」
「なんもなんも、ちょっとよっただげだ!気にすごどねでば!」
「まんつか、なんもねども、ゆっくり(し)てけれ」
「な~んも、かまねんでけれ。」
「さげっこでも飲むが?」
「なんも、いらねでば、もでなすな!」
「んだが?せば、なんもさねばってな?…そ~れに(し)ても、ひさ(し)ぶりだいね~」
「んだな~~…元気(に)(し)てあったが?」
「うんうん。み~んな元気だ…。あんだはどんだの?」
「な~んも、おらだば大丈夫だ。ばがだがら、かんじゅふぃ~だりさねんだよ…あ~っはっはっは」
ちょっと読んでいただけると、訪問した人と、それを迎える人のやりとりだという事がお分かりいただけると思う。
が、標準語に訳しようとすると、実はちょっと迷う。普通に訳すると…
「いっや~~。よぐきてけだもんだいな~~…」→ようこそ、お越しくださいました。
「なんもなんも、ちょっとよっただげだ!気にすごどねでば!」→いやいや、ちょっと寄り道したんですよ。お気遣い無く…。
「まんつか、なんもねども、ゆっくり(し)てけれ」→たいしたおかまいできませんが、ごゆっくりなさってください…。
「な~んも、かまねんでけれ。」→いやいや、おかまいなく。
「さげっこでもどんだ?」→お酒でもいかがですか?
「なんも、いらねでば、もでなすな!」→いえいえいえ!!けっこうです。本当にお気遣い無く!!
「んだが?せば、なんもさねばってな?…そ~れに(し)ても、ひさ(し)ぶりだいね~」→そうですか…では、あれですが…それにしても、お久しぶりですね~
「んだな~~…元気(に)(し)てあったが?」→そうですね…お元気でした?
「うんうん。しんぺさねんでもみ~んな元気だ…。あんだはどんだの?」→ご心配には及びません。みんな元気にやってます。あなたこそ、どう?
「な~んも、おらだば大丈夫だ。ばがだがら、かんじゅふぃ~だりさねんだよ…あ~っはっはっは」→な~に、俺は大丈夫さ。ばかだから風邪など引いたりしないよ…あ~っはっはっは
こんな感じ。
しかし、訳する言葉を変えたりすると、ちょっと微妙な関係にも聞こえてくる。
「いっや~~。よぐきてけだもんだいな~~…」
よく来てくれたね~。ありがと。
「なんもなんも、ちょっとよっただげだ!気にすごどねでば!」
いや、すこし寄り道しただけなんだ…。
「まんつか、なんもねども、ゆっくり(し)てけれ」
今なにも無いのよ…ごめんね?
「な~んも、かまねんでけれ。」
いや、いいんだ…。
「さげっこでも飲むが?」
お酒でも…飲む?
「なんも、いらねでば、もでなすな!」
いや、本当にいいんだ…。ありがと。
「んだが?せば、なんもさねばってな?…そ~れに(し)ても、ひさ(し)ぶりだいね~」
そう?じゃー、なにもしないけど…それにしても、久しぶりね?
「んだな~~…元気(に)(し)てあったが?」
あー。そうだな…元気にしてたのか?
「うんうん。み~んな元気だ…。あんだはどんだの?」
うん。元気にやってるわ?あなたは、どうなの?元気にしてた?
「な~んも、おらだば大丈夫だ。ばがだがら、かんじゅふぃ~だりさねんだよ…あ~っはっはっは」
なーに、俺は大丈夫さ。頭悪いと風邪引かないらしいしな…あはは。
みたいな(笑)
微妙に不倫風(ぉぃ)
「愛」が前面に出るか、「親しみ」が表面に出るかによって、全く別物みたいだから、言葉はおもしろい。
今日は、かなり長くなってしまったが、「基本」という事で…。
では、今日はこれまで…。
「とっぴんぱらりのぷー」

超ネイティブな年配の人しか使わない(使えない?言葉。昔話の終りや、物語の最後につける。オチをつけるときの「ちゃんちゃん」てきなイメージ。