過去のブログで軽度の認知症を患った祖父母がいると書いていたのですが全てが変わってしまいました。

今年の春頃までは軽い記憶障害と同じ話を繰り返す程度だった祖父の認知症が夏に入った途端に急激に悪化、今では私達の名前も忘れ家族として認識できず自分の妻のことすら覚えられず祖母のことを「おばさん」と呼ぶようになってしまいました。また以前は90代とは思えないくらい元気に歩き回れた足腰も、認知症の進行に合わせるかのように衰え介助なしでは歩くこともままならなくなっていきました。

 

8月の上旬、遂に1人でトイレに行けなくなった祖父がパンツの中に失禁するようになりました。流石に家族だけでは面倒を見切れないと判断した私達は介護保険の申請と介護サービスの利用を決断、また祖父に強制的に紙パンツを履かせるようにしました。そして介護認定を受けつつデイサービスを週二回利用することになりました。9月になって介護認定の結果が届き要介護3の認定を受けました。おかげで備品のレンタルや訪問介護に訪問看護、訪問診療といったサービスも受けられるようになり四苦八苦しながらも介護の体制を整えていきました。

しかし10月5日、私達にとって最悪の一日となりました。深夜に便失禁した祖父があろうことか漏らした便で手遊びを始め寝室・廊下・トイレを便塗れにしたのです。祖父は寝室からトイレまでは距離があるためトイレに間に合わず漏らしてしまうことが多く、さらに紙パンツでの排泄を嫌がって紙パンツをずらして放尿してしまうため、いつも朝は汚れた廊下やトイレを掃除するのが日課となっていたのですが、この日はあらゆるところが便塗れになっていて正に地獄としか言いようがありませんでした。何よりきつかったのは体中便で汚れた祖父が自分はやってないと子供じみた嘘をついたことです。

カッとなった私達は様々な暴言を吐き散らしながら祖父を引きずり倒して風呂場で祖父の身体を洗い一日かけて家中を大掃除しました。畳に染み付いた便汚れを取り除くのは苦労しました。そしてその日の晩、性懲りもなく祖父が廊下に放尿しました。

 

 

もう限界でした

 

 

私達の介助を嫌がり毎回のようにトイレに失敗し、深夜家中を徘徊しながら失禁を繰り返すため対策でトイレと祖父の寝室以外全ての部屋に鍵を取り付け、さらに家の外に出られないよう廊下に柵を設け行動先の制限をするようになると夜間に大声を張り上げ文句を垂らし、家族を知らない人呼ばわりした挙句に最近では食事をしても食事をしたことを忘れ「ご飯を食べてない」と言い張るなど、基本的なコミュニケーションすら取ることが出来ません。デイサービス先でも職員の介助を嫌がり帰ると喚きながら施設を徘徊するそうです。多大なストレスが私達を蝕んでいきました。

その結果、私達家族全員が睡眠障害に陥り熟睡することが出来なくなりました。さらに私は腰痛を再発させ(先月ブログで書いた腰痛の原因はこれ)母は肩を痛め、姉は体調を崩し気味になり父に至っては10キロ以上体重が激減し目に見えて体がやつれました。軽度の認知症を患っている祖母も祖父の急変ぶりを嫌がり家と庭を徘徊するようになりました。

 

介護の限界を感じた私達はケアマネジャーやかかりつけ医などに相談、今月後半から短期で施設に宿泊できるショートステイを隔週で3泊4日利用することになり、デイサービスも週3回に増やすことにしました。

さらに体調が急激に悪化し寝たきり状態になってしまったために、入所していた施設から面倒を見切れないと通告され病院に入院していた大叔父の終の棲家がようやく決まり今月中には施設入所が完了するので、それに合わせて祖父の老人ホーム探しを始めることが決まりました。

今後はデイサービスとショートステイ、訪問介護を利用しつつ何とか1年以内の施設入所を目指していきたいです。

 

祖父の介護が始まってから私達家族の生活は激変しました。朝は掃除と洗濯をして祖父の身体を拭いて紙パンツを交換、日中は祖父の寝室近くに必ず誰かが待機、夜は家中のカギをかけ廊下に柵を設け早々と布団に入る。そして熟睡できずに朝を迎える。こんな毎日が続きます。私自身も趣味だった夜の晩酌をしなくなり家で酒を飲むことがなくなりました。両親の衰弱ぶりを看過できず仕事を辞めることも本気で考えました。外部の助言のおかげで老人ホーム探しを決断できなければ今頃介護離職となっていたでしょう。

さらに以前なら絶対に言わなかった心無い暴言を祖父に吐いてしまいます。この前なんか祖父の手を引っぱたいてしまいました。自分が嫌になります。

祖父からは名前を忘れられ家族として認識もされず献身的に介護をしても感謝も謝罪もされず抵抗される。いつまでこんな生活が続くのだろうと最近ずっと考えています。

 

周りを拒絶し続けた結果妻と一緒の施設に入所も出来ず訳も分からないまま病院と施設をたらい回しにされ寝たきりとなった大叔父や、逆に周りに何かやってもらう事が常態化した結果プライドだけが肥大化し家族すら認識できなくなった祖父を見てると、長生きなんてするものじゃないなとつい思ってしまいます。