昨日のニュースで警備費用の増大が原因で花火大会が中止に追い込まれる事例が各地である事が取り上げられました。ですが、果たしてそれだけが原因と言えるのでしょうか?

そもそもイベント警備が重要視されることになったきっかけは、2001年7月に起こった明石花火大会歩道橋事故で多数の死傷者が出たことに始まっています。この事故の影響によって警備業法が改正され、従来の業務検定に加え新たに雑踏警備が新設されました。これによりイベント警備の際は雑踏警備の有資格者を必ず配置することが義務付けられており、安全強化に費用が掛かるのは当たり前の話なのです。

しかし、警備員というのはその職務内容の重要性にも関わらず、周りから冷遇されることが多く、警備員の待遇はお世辞にも良い物とは言えません。しかも我々現場の声を反映されることは一切なく、その結果、警備員不足に繋がっているのです。

それにも関わらずイベント主催者達は警備費用にお金をかけることを惜しみ、また警備業者側も苛烈な競争に勝つため、価格をダンピングして仕事を取ってくるのです。そのしわ寄せはどこに行くのか。私達現場の人間なんですよ。阿保みたいな低賃金で長時間労働を強いられ、やっと終わったと思ったら次の現場に行かなくてはならない・・・これでは本末転倒なんですよ。

警備費用増大の理由は二度と明石の事故のような悲劇を繰り返さないために警備に力を入れたからであって、言わば必要経費なんですよ。それが花火大会中止の原因だなんていうのはおかしな話なんです。むしろ警備費用すら賄えないなら中止にするのが当たり前であるべきなんです。

安全が確保されていないのにイベントを開く理由があると皆さんは思いますか?人の命と祭りのどちらが大切ですか?そんなの比べるまでもないですよね。