羽田からニューヨークへ戻る飛行機の中で一気に読んだ。

$Ako の ’ニューヨークつれづれ’
「市川中車」46歳の新参者

三代目市川猿之助の長男として生まれながら、両親の離婚で歌舞伎俳優としては育てられず自分で歌舞伎界の外での俳優の道を選んだ人である。
様々な作品で目を見張るような演技をして流石サラブレッドだと感心させられた事が幾たびもある。

父三代目猿之助が病で倒れ、自分に息子が出来て、父の家の芸を息子へ継承する責任に向きあい、果敢にそして無謀に歌舞伎俳優として一から出直した香川照之の真摯な生き様と熱い想いが吐露されている。

歌舞伎の舞台を踏まれた後、彼の映像での演技が見事に幅と深みを増している、彼の努力は確実に実っている。

どの職業であれ道を極め、易きにつかず自分を磨いて行く彼の生き様が眩しい位に心地良いし、本物でいることの厳しさを改めて教えて戴いた。

時分の花が終わった後の演者の求める道。

「他の人が書いたせりふに適当に乗っかって、人生の大切な時間を無駄に費やしてたまるものか。所詮何でもありなのであれば、一番きついことを思いっ切り真剣にやってやる。この論理が今の私と俳優という仕事をつないでいる接続点なのである。」

その通りと胸に落ちた。

もしかしたら、因習で固まり風通しの良くはない歌舞伎界に、とんでもない可能性の窓を開けられるかもしれない。

他に香川氏の「日本魅録」1、2も日本で購入した。読むのが楽しみである。


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 読んで戴いて有り難うございました!m(_ _)m
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