身体が不自由な子がたまに
面接にやってくる
本人からの連絡ではなく
親や旦那彼氏からの申込みが
ほとんどをしめていて
そんな向かう道中の中
なんとく切ない予感をしている
で実際会ってみた人の中で
髪の毛が薄い
髪の毛が一部はげている
片目が痙攣している
片目が見えない
顔にやけどの後
顔に大きなアザ
耳があまり聞こえない
鼻が曲がっている
鼻のホクロが大きい
声が異音
うまく喋る事が出来ない
滑舌がよくない
しゃっくりが止まらない
歯茎が長い
歯が無い
舌が出ている
ヒゲが伸びている
アゴが長い
片手が短い
手が言う事をきいていない
胴体が曲がっている
片足が短い
真っ直ぐ歩けていない
応募した人の気持ちになれば
この子で少しでも
お金になるのであれば
なんとかお願いしたい
そう願っているのであろう
他人より
ほんの数センチ違うだけ
ほんの一個あるだけ
ほんの少し何かがズレているだけ
たったそれだけである
それでも
ハンデを背負っている子の
採用はやっぱり難しい
店で使える使えないの前に
その身体で働きたいと
思う気持ちや
働かせて下さいと
連絡してくるその気持ちは
無駄にはしたくない
でも面接のあとは
後日連絡しますと言って
のちに断りの連絡を入れ
凌ぐ事しかできなかった
それでも
わざわざこちらに面接に来た場所は
そうはいかず
その身体で頑張っていて
働きたい 生きたいと 訴える本人を前に
自分には置き換えれないけど
それでも 置き換えて空想してみると
やりきれない思いで
いっぱいになってしまい
断る理由や言葉もすぐには出てこない
その身体を理由にお金を頂く人も
いるのは知っている
やくざ屋さんよりもある意味
難しい交渉になる事もある
それでも ほんとうに
重い決断をするかのよう
断るときは
その場で ごめんなさいをする
一万を渡し
頑張っての声も なぜか
かけられない
後退りするその後姿を見て
よし頑張ろと切り替えるまでに
相当時間もかかる
ほんと辛い時間でもある。