私は彼女のことを

せんせ と呼んでいる

先生と言うと違うと言われる

「てあて 」を受けるために門司港へ

せんせ と会うために来たのだ

これは私だけの認識で
(他にたくさんの方が遠方からも
     来ていますが)

せんせ に触れていると癒される

せんせ と同じ空間にいると痛みが緩和する

せんせ と話すと気づきがある

愚かで未熟なままの私が

新幹線ではるばるやって来たのには

それなりの理由がある

意識がそうさせたのではない

何かに導かれるように動いていた

あれだけ動けなくて 毎日家で寝ていたのに

この時期に 急に 私は動けた

そうゆう風になっていたんだ

漠然としているけど

私の中では確かに求めていた





幼少期から満たされなかった温かく優しい

そんな感覚にも触れられる

心が満たされる

心が生き返る

目に見えることだけが真実ではない


私は白か黒しか知らなかった

そうしか出来なかった


それが心の底の私も感じない程の奥に

潜み眠っている感じを呼び起こしてくれる


頭がクリアになり眼精疲労から目の奥が痛み

首や肩がガチガチで背中まで痛むのが

霧が晴れたようにひいてしまう

細胞全てが解れたような…

これだけでも来た甲斐がある




せんせ は忙しい

縁のない人とは連絡もつかない

9月には野村萬斎さん達とパリ公演に

体と心のケア&運転手として同行するらしい



尋ねてみた

「せんせ の命に限りはありますか?」




“何言ってんの〜!人間なんだから
       あるにきまってるでしょ”



それぐらい不思議な存在にも見える



帰り道 頭も目も肩も背中もスッキリし

軽い足取りで歩いた


行けて良かった


私は自由になりたかったんだ

行動の全てを管理するように

聞いてくる母から逃げたかったんだ

そのためには遠くへ来る必要があったんだ




ついでに家事からも丸一日解放された



収穫は多く こんな年なのに

大人になった気分だった



家に着いたと同時に せんせ からメール


"今回は自立の旅でしたね。
     よく頑張りました"



褒められたことのない私が

頑張りましたね と


泣いていないのに涙が溢れた