■はじめに

 SIerの人月商売モデルは度々SIerの欠点として話題に出る。「成果に対して時間を切り売りした報酬が支払われるのがおかしい」とか、「プロダクトの制作は複雑なので人月で進行度は表せない」とか。たしかにそのとおりである、しかし便宜上はある程度人月商売で進めたほうが楽な場合もあるのではないだろうか。

 

■成果報酬型では?

 人月商売は成果報酬型と違い、誰でもある程度の賃金が得られる。仮に完全な成果報酬型の賃金形態だとすると、時間を浪費したのに生活費が稼げず生活できない、転職せざるを得ないという事がありえるだろう。

 

 こうなった場合、不利益をこうむるのは未熟プログラマである。熟練プログラマに太刀打ちできず仕事が回ってこないだろう。その結果、業界は「優秀で給料をたくさんもらえる群」と「能力が低くほとんど給料をもらえない群」に二極化することになる。

 そうなった場合に、「業界として新人の育成が行われないこと」、「能力が低いものが仕事全体の足を引っ張ること」といった問題が発生する。

 

■未熟プログラマに給料が行き渡るおおざっぱな流れ

 

熟練プログラマ

(利益)

顧客

(報酬)

会社

(給料)

未熟プログラマ

 

良い点

 未熟プログラマでも生計をたてていくことが可能。新人育成が行え業界全体の技術力を上げることが可能。

 

悪い点

 スキルが未熟でもお金がもらえるため、技術アップに対するやる気がそがれる。結果、いつまでたってもスキルの無いプログラマが生まれる。

 熟練プログラマにしてみれば自らが与えた利益にふさわしい報酬を受け取れていない。

 

■まとめ

 人月商売というモデル自体が悪ということは一概に言えない。弊害が出ているというのならそれはモデルを悪用するものがいるからだろう。

 新人育成メリット > スキルが未熟なプログラマの発生

 という図式が成立するなら人月商売もメリットになる場合がある。