数日前のことです。
階下へ下りていくと、
グレートマザーがテーブルの上へ、
たくさんの写真を並べていたのです。
我が家にある、膨大なフィルム写真、
そのほとんどは家族の写真ではなく、
ほぼ、孫の写真、というか、
その8割は、初孫である、甥の写真。
そう、彼女にとって、
彼はそれほど大きな存在なのです。
この夏で、廃屋となることが
決定済みの、我が実家。
グレートマザーはゆっくりと
マイペースで荷物の整理を始めており、
その一環として、
ついに写真へ辿り着き、
孫の写真へ着手したようです。
テーブルの上で輝く、
黄金時代の甥。
私の姿もまだ30代で、
よく二人で撮っています。
つい思い出話に花が咲く、二人。
甥はもう、25歳なのですが、
我々の中では幼児のまま、
止まっているのです。
ゆっくりと時間を掛けて、
写真を見返す、グレートマザー。
その背中は、どことなく、
寂しそうでした。
バッタもん