あの唄を聞くと想い出す


前を見据えた君の事


僕のような嘘付きすら


魅せてしまうような生き方をする


遠く離れた今でも惹かれている


それ程強く想ってしまう位に


僕にはないものを持っていた


君の隣に居れたらと幾度も思った


君の傍に居たいと今でも想う


釣合うようにと


誤魔化さないで生きようと


強く誓った日の事


あの唄が


今もそんな気持ちを


燻らせている



すれ違いが僕の鼓動を加速させる


理性を保たせるのはこの苦味だけ


考えても仕方がない


君にすらわからないだろうに僕にどうしてわかるというのか


期待が胸を潰すとき声をあげたくなるけれど


どうしてか僕の身体がそれを赦さない


手放せないのは僅かな希望


手放したいのはこの思考


どうして僕がここにいるのだろう


本当は他の誰かの場所だから不安定で仕方がないけれど


間違ったピースをはめてしまったかのように


外れない


僕が離れるときは必ず疵が


壊さないではいられない


壊れないではいられない


夢なんて


見るんじゃなかった


泡沫をかき集めても


消えてしまうならいっそ


覚めない夢と冷めない現実は何処に


拾い集めて少しずつ落として


最後に残るものは


たどってきた道の残骸


決まった答えと


決まらない道筋


何層にも積み重なって


何重にも覆って


全て捨てれば楽になるのか


全て拾えば終わるのか


零れた涙と乾いた瞳


笑えないピエロは何を想う