昨夜、寝坊がしたくて永遠に起きてしまった。
大学の卒業式があるからだ。
別に暇なら行こうとしていたのだが、スーツを着なければいけないことに気がついた。
僕はとてもスーツが嫌いだ。そういうものの時だけ押し付けられる礼儀作法の象徴がスーツな気がしてる。なんでわざわざそんなものに合わせなければならないのかが理解できない。
スーツを着れば同時に革靴を履かなければならないことにも納得がいかない。あれは単純に歩きづらいからスーツよりも嫌いだ。
別に私服で行ってもいいのだが、そういう礼儀作法はしっかりしてほしい母親と絶対に一悶着してから出ることになる。それが1番めんどくさかったので、とても出たくなかった。
ちなみに僕が大学生活で出来た2人だけの友達、その友達と11時に大学の最寄駅で待ち合わせをしてる。
しかし僕は卒業式を出ないと断りを入れることさえ出来なかった。
理由はある。
彼らに卒業旅行に誘われたのだが、旅行がそんなに好きじゃないのと単純に金がないのでやんわり断っていた。
しかしそうは言いながらその期間、音楽やお笑いのライブやサッカー観戦は欠かしておらず、それをTwitterに書いていた。
そしたら卒業旅行を本気で行きたがってた1人がすごくショックを受けていて、僕に対して憤りを覚えていた。
それもそのはずで、最初はユニバーサルに行こうという話だったのが、僕の「金がない」というので「関東近郊の県→ディズニーシー」まで格下げしてくれていた。しかし僕は「金がない」の一点張り。怒るのも無理がないし、思い返すととても人でなしな対応だった。
代わりに食事会という形で安い回転寿司に行き、そこで初めて彼が怒っていることに気がついたのだが、その日以来、負い目を感じてしまって、今回は断れなかったのだ。
なのでどうにか合理的に卒業式を欠席するべく、「寝坊をしよう」と考えた。
ちなみに卒業式の後に彼らと「焼肉に行く」約束をしてるのだが、それは普通に行きたいので行く。この日、サッカー日本代表戦があると気づいたとき、一度は躊躇したがその一件があるとどうしても断れない。ただとにかく卒業式だけは避けたかった。
ラジオを深夜3時に聴き終わったあと、探偵ナイトスクープを観て笑い転げたり、エレファントカシマシのSONGSを観て気持ちがたぎったり、途中一時停止してオールナイトニッポン0の新パーソナリティの情報を確認したりしていた。
時計の針は5時30分を回っていた。
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この最終回の日に「とんねるずのみなさんのおかげでした」について触れて、アクセス数0のブログなんてここくらいだろう。
ちなみにTwitterで「人生ごぶろう」でエゴサーチ。
当然の結果だ。
布団に入るととても心地がいい。前日は自分を吐き出してなかったせいで神経質状態に陥り、布団がとても重く感じて、毛布を外し、布団周りを何もない状態にしなければならなかった。僕は自分を抑制することに耐え切れず、その旨をTwitterに吐いたら、翌朝、彼女から心配の電話が来た。こうなってしまうからこの場に逃げたのだ。
寝ればどうにかなるのを俺は知ってるが寝るためには吐き出さなきゃならなかっただけ。自分のなかで終わったものを誰かから心配されるのは結構うっとうしい。ましてや俺のことを大事にしてくれる人だと無駄な心配もかけてしまうのがすごく嫌だ。
しかし、ここまで自分を吐き出してやっと気持ちがいいのかと思った。アクセス0でも誰かに気づかれる可能性があるのが自分の中で大事みたいだ。僕の自己顕示欲はまだ謙虚さを保っている。
外が明るくなりだした5時45分、僕は12時30分に目覚ましをかけた。
6時を回り、大学の学生ページのバックアップが終わったためログイン。
ここで初めて卒業式の要項を見る。12時30分に開始するらしい。
どうやら卒業式が終わった後に卒業証書が授与されるみたいなので、14時45分までかかるとのこと。
僕は目覚ましを13時にセットし直した。
この文をしたためてるうちに6時40分になっていた。
結局、起きたのは12時50分
スマホを見たら友達からの鬼電、しかしすべてLINE通話。ライン通話の通知は切られているため僕のスマホが揺れることはなかった。
心地よい寝起きだったが、まるで寝坊したかのような気分に切り替えLINEで謝りを入れる。10分もすれば気分や景色は何もない平日に元通り。
そのはずだったが思ったより怒っているようなので、なんだか申し訳ないことをした気分になった。
嘘を1度つくと戻れなくなるから嘘は嫌いだ。しかし元には戻れないので自分にさえ嘘をつく。俺は人を騙して平気でいれるような強さはない。
心が閉じていかないようにJack Whiteの新作アルバムを流した。思ったよりも良くて、結構気分がよくなった。
起きてからは昨日のとんねるずの「情けねえ」を何回か見返して、今夜のカラオケで歌えるようにしておいた。
その後、今夜のサッカー日本代表の試合が録画出来るように録画していた30分番組を1つ見る。
クロマニヨンズを聴きながら着替えをして、新宿へ。
どうやら今日は半袖手ぶらで行けそうだったが、夜に雨が降るらしい。半袖手ぶら計画は倒れた。
駅に向かう途中、近所の小学校に「卒業証書授与式」の文字。
エレファントカシマシの「桜の花、舞い上がる道を」を聴いていたのでなんとなくではあるが、卒業した気分になれた。
本当に卒業できてるのだろうか?と自分に疑いをかけたくなるが、卒業証書を渡すときに自分の名前が困った不在者を探すような大声で呼ばれていたらしいので大丈夫なのだろう。
新宿に着いたらルミネtheよしもとに誰が出てるのかを確認する習慣がある。
本日はくまだまさしともりやすバンバンビガロのSPコントが見ものだと思った。
その足でタワーレコードへ。
たくさん視聴をしながら、気に入ったものを自らのApple Musicで追加していく。
気に入った曲が家でもすぐ聴けるようになるのはとても楽しい。邦楽アーティストはまだないアルバムも多いが、洋楽なら気持ちのいいくらいに全部ある。Apple Musicは僕にメディア革命を起こした。
ただどうしても所有してる気分にはなれないので、そこがネックだが。
音楽視聴にも疲れたので店を出る。卒業式終わりの友達を待っているのだが、まだ来ない。朝は俺が待たせたし、当然の報い。ただ時間はいくらでも潰せる。
本日、たまたま遠方から来てる友達が新宿ロフトプラスワンで行われるお笑いライブの当日券を欲しがっていたので状況報告をするために歌舞伎町の中へ向かう。良心とかでなく、ただの気分である。
17時30分ごろの歌舞伎町はすでに怪しげな空気をすでに醸し出している。
乳のデカイお姉さんが胸を強調した服で前から歩いて来た。巨乳で巨乳を服で強調する人は全員豊胸だと思っている。別に整形や豊胸を悪いこととは思わないが、自分で自分に嘘ぶく行為に違和感を覚える。そうは言っても自分も、心の中で自分の感情を大きく欺いて生きているのだから彼女たちと大して変わらない。
ロフトプラスワンには列をなしてなかった。まだ会場時間の1時間半前なので無理もない。
ちなみにこの公演は僕も行こうとしてチケットも取ろうとしたのだが、これまた寝坊で取り損ねた。ただこの公演のチケットを取っていたら、友達との焼肉も断っていた可能性がある。取ってなくてよかった。
まぁその友達にそのチケットを渡してあげれたなとも思ったが、ないものを語るのはもういい。
見るもの見たらさっさと離れたいのが歌舞伎町。そそくさと歩いていたら店から素早い大きいものが飛び出た。ネズミだった。
鼠年ではあるが、本物の野生のネズミを初めて見たのでビビって足をあげてしまった。
歌舞伎町でキャッチにビビるのではなく、ネズミにビビり、さらに早足で歩くと、足元にうごめくものが。また足をあげると、靴紐を縛っていただけの女の子だった。
歌舞伎町の出口で立ちすくんでいると、杖をついたおじさんに声かけられた。
普段あまり話しかけられないのだが、それはイヤホンをしてるからであって、外してる時はかなりの頻度でお声がかかる。なにか惹きつけるものがあるのだろう。
話は基本よく分からなかったがそれはきっと僕の耳が悪いせいで、真剣に聞くために腰を少しかがめて喋った。
僕の真後ろに止まっていたバスのタイヤの話などをいろいろしてたがなんせ3割しか聞こえていないため上手い返答もできなかった。
「ここらへんは気をつけなよ。この間も大学生がいい女がいるって言うて、付いてったら監禁されて35万取られたんだよ」と言ってた。
このおじさん何者だ、と思っていたら、おじさんは僕の右隣にあるBOXに入っていった。
「安全安心ステーション」
ここらへんの警備をしている人だった。
歌舞伎町の中に1台のパトカーがサイレンを鳴らしながら入っていった。
おじさんたちは袋片手にゴミを拾っていた。
縁遠い非日常も、安全安心な社会も、人の上で成り立っている。
そして結構すぐそばにある。
なぜかこの地域のフリーペーパーをおじさんに渡されたが、明らかに汚れていて、これもゴミとして回収して欲しかったが、そんなことも言えずまま、少し汚れを払って、カバンに入れた。
友達が到着して、焼肉へ。
怒ってはいたが、どちらかと言うと卒業旅行のことに関してまだ強い怒りを覚えていたようだ。
「今日は奢りだな」という言葉を「金がない」という言葉で一蹴。
今日、このために何も口にしなかったのでたらふく食べた。
友達は酒をとても飲んでいた。
4100円。お酒はビール1杯しか飲めないが、同じ席の人はコースを合わせなきゃならないので仕方ない。なかなか痛い出費。
三者三様、吐きそうになりながらカラオケへ。
カラオケはとても楽しい。自分が1番出せる。歌に任せてなんでも言えるし。
わざわざ覚えて来た、とんねるず「情けねえ」を歌いあげ、銀杏BOYZ「骨」GOING STEADY「佳代」と峯田和伸繋ぎ。
もっとパワフル路線で行こうと、昼間の思い出の曲、エレファントカシマシ「桜の花、舞い上がる道を」
自分の中で1番好きな卒業ソングTHE YELLOW MONKEY「プライマル。」
単純に歌いたかったから大森靖子「非国民的ヒーロー」
単純に叫びたかったからOKAMOTO'S「欲望を叫べ!!!」
昨日の思い出の曲だからTheピーズ「線香花火大会」
最後は『うまくやれる うまくやれる だから笑ってりゃいいんだ 今日も明日も』とエールの気持ちで歌うザ・クロマニヨンズ「ワハハ」
自分の気持ちに正直な選曲で大満足。
半袖になって歌っていたが、とてもとても汗をかいていた。
2052円。金曜夜のカラオケはなかなか高い。共にあと1000円ずつ安ければ採算が合うのになぁ…と思いながら、気づかぬふりをした。
友達と別れ、電車に乗る。
すし詰めの埼京線で「恋愛について」語る女2人。
「追っかけられたい」という割には「男の人からグイグイ来られると『何この人?』って引いちゃう」と相反することを言っていた。
女の人2人だけで生まれる会話として危うい部分で成り立っている。それを俯瞰で聞いてるのは楽しい。
「高校時代、ずっと女とばっかりいたから青春がなかった。」と言っていたが「それがお前の青春だよ。」って言いたかった。
別に突き放してるわけじゃなくて、その思い出を青春として大事にしてもらいたいだけだ。『青春』の定義なんて曖昧だ。
たまにイヤホンを外していると世の中はおもしろいと改めて思った。
2人の女性がいて、1人が喋りながらゲラゲラ笑っていて、もう1人がマスクをしていると表情が分からないから「あの人は置物と喋ってるのだろうか?」と思う。
顔の大部分を隠すマスクは嫌いだ。ブスでも堂々と立っていてほしい。
最寄駅に着いて、家に着いて、ほっとひと息。
僕は4年間ずっと自分が大学生の自覚がなかった。そして未だにない。
4年間、あまり友達も出来ないまま、何をやっていたのだろう。
1年生のときは友達にも心を閉ざしてたし、お笑いや音楽のライブ行こうにも交通網が分からなかったし、そもそもバイトも8個落ちてなかなか決まらなかったので金もなかった。
救いは同じ高校から来てた友達と週1で同じ講義を取っていたので、そのときにめちゃくちゃ喋れるということだけだった。
もっと彼と一緒にいたかったが、学部が違うのでなかなか同じ講義を合わせるのは難しかった。
あとは講義をサボってテレビ番組の観覧によく行った。初めて生でダウンタウンを観る日は緊張しまくってて、どうかしていた。あのとき初めて東京にいることに喜びを覚えた。
大学2年生の5月に前の彼女に出会って、すべてが好転していった。違う大学に通う彼女と毎週金曜日に会って、いろんな駅に降りるのが楽しかった。散歩をしながら、どこまでも歩いてしまって10km歩いていたこともあった。
お互いがお互いで浮世離れしていて、世間知らずで、初めての彼氏と彼女で、なんか中高生の恋愛を大学生になってからやっているようだった。お互いして金もなくて、どこかに行きたくてもどこにも行けなくて、最寄駅の西友でお買い物して、どの食べ物が美味しいかとか言ってるだけだったけど、それでも思い出すと泣けて来てしまう美しい思い出だ。
彼女は途中で大学を辞めたが、関係は続いていった。大学3年も半分を過ぎたあたりからいろいろとギクシャクして行って、4年の秋にフラれた。ちなみに2年半ほど付き合って、僕らは1度もセックスをしなかった。愛の確認作業は大事であることに今なら気づいている。
最後に「この人は誰かのために生きるのとか向いていないんだと思った。だからもう諦めた。」と言われた。趣味への没頭などが主な原因だ。嫌いになったのではなく諦められた。その事実は僕に重くのしかかり続けている。
振り返ると前の彼女のおかげで大学生活がクソッタレでも、卒業出来たようなものだ。
趣味への没頭と前の彼女との思い出で埋め尽くされたような大学生活。
果たしてそれを大学生活と呼ぶのもどうかと思うが、こんな大学生活も俺は『青春』と呼んでしまうのだろう。
新しい彼女とも出会ってからそろそろ半年が経つ。仕事も来週あたりに突然始まるだろう。
何者でもない自分から脱するまで、きっと1週間を切った。
