(昔こんなことを書いていた。3年前のnoteより)




公園でくらい子どもは自由にあそべばいいんです。


あるワーキングマザーの方のインスタ記事がけっこうな反響でした。

子どもの声がうるさいという苦情がきているため、静かな環境を求めている人のことも考えて、想像力を働かせて、みんなで気持ちよく過ごしましょう(つまり、子どもを騒がせるな、静かにさせろってお願いです)という貼り紙が公園にあったらしく、悲しい、みんなかつては子どもだったのだし、大目に見てほしい、ママたちはかなり気を遣っている、公園でくらい自由に遊ばせてほしい。

このような切実なお願いでした。

かもこママ

たくさんのコメントが来ており、どのママも投稿者さんと同様の意見でした。

みんな肩身の狭い思いをしているんだな、子どもを遊ばせる場所自体が減っていてすごく困ってるだろうなと思いました。

でも、問題となっているのは公園です。

ママたちが切実にお願いするまでもなく、子どもが思いきり声を出して遊んでいい場所です。無言で遊ぶ子がどこにいる?声をひそめて滑り台やブランコをする子がいるか?子どもの声がうるさいからってどうなんだ。

何でも苦情を言う人はいる。管理者は「何もしなかった」と後指を指されたくないから貼り紙をした。ただそれだけ。

こんなの真に受けて傷ついたり、誰かを憎んだりする必要は全然ない。公園でぐらい子どもは自由に好きなようにわーわーぎゃんぎゃんやってりゃいいんです。ママが気にとめるべきはケガやケンカであって、子どもの声のうるささではありません。

子どもというのは「うるさい」ものです。


就学前の子どもは総じて騒がしく「うるさい」ものです。

小学生は全学年が(特に男子)騒々しいです。

中学生になっても「うるさい」のは治りません。

高校生以降は種類が異なるだけで「うるさい」デジベルは変わりません。

じゃあ、大人は静かなのかっていったら、そんなわけないじゃないですか!!

騒音をまき散らしながら生きているのが人間です。


20代30代は屁理屈こねて「うるさい」ですし、40代50代は「オレらの頃は~」って「うるさい」ですし、60代以降は「うるさい」よりも、むしろ「やかましい」です。60代以降は聴覚の劣化により、自ら発する声も大きくなりますが、テレビやラジオなど機械も大音量にしてる人が多く、こどもの騒音どころじゃありません。

子どもも大人も「うるさい」のは同じです。むしろ大人のほうが「うるさい」くらいです。

人間以外にもうるさい生き物はいますが、人間のうるささは自らの音だけではなく発明した機械までがうるさいところが他の生き物を大きく引き離して罪なところです。ぶつぶつ小言がうるさいのもそうです。

そんな人間が、自分のうるさいのは棚上げして人のうるさいのに「うるさく」文句を言っているのです。

現在子育て真っ最中のママたちは、「みんな子ども時代があったのだから、そのことを思い出して想像力を働かせてほしい」と悲しい悲鳴をあげていますが、10年20年、30年後もそれ以降も同じ気持ちを持ち合わせているとは限りません。

自分が来た道を忘れてしまうのが人間なら、自分が行く道を思い描けないのも人間です。今日の被害者は明日の加害者です


自分が静かな環境を求めるときには「好きなだけ大声を出して(こどもを)遊ばせてやりたい」なんて気持ちは風に吹かれてどこぞへ行ってしまっています。

自由に動けない体では騒音から逃げることもできないかもしれません。

あれほどかわいかった子どもは自分を邪険にするかもしれません。

母親たちが世知辛い世の中で遠慮しながら、いろんなストレスにさらされて子育てをしているのを見るとツライ気持ちになりますが、高齢世帯を眺めればまた別のツライ気持ちが湧き出てきます。

子どもの声がうるさいと苦情を申し立てる人も、かつては子どもを守り慈しみ育ててきた人かもしれません。

今子どものことで、世間の心ない冷たい風に泣く人は、いずれ自分が冷たい風となる人かもしれません。

渦中にいるときはどうしても自分や自分と同じ境遇のものしか見えません。

もし自分が今現在小さな子を育てている真っ最中なら、「公園でくらいこどもを自由に遊ばせたい!」という切実な叫びに問答無用で賛成したと思います。でもそういう時期を過ぎ、自分の加齢も加わると、どうも正義の拳に迷いが生じます…

6年という短い期間ながら、特別養護老人ホームやホームヘルパーやケアマネといった仕事で高齢者にかかわったことも関係しているかもしれません。

高齢者宅には、思い出の残骸のような子供関連のガラクタが山積みになっています。親が子どもを慈しんだようには子どもは親を大切にしない現実を垣間見

たせいかもしれません。

インスタの投稿者さんや賛同者のママ達にはおおいに共感しますが、どうしてもいっしょに拳を振り上げる気にはなれず、ながなが書いてしまいました…