北朝鮮は指導者が核開発に力をそそぐあまり、国民の生活は苦しくなるばかりのようです。
指導者の国民に対する考え方によって、対照的な国があります。
それは、同じ社会主義国のキューバです。
カリブ海にあるキューバは、かつてはアメリカの植民地でした。
その国が1959年(昭和34)、長年のアメリカ支配から独立を目指したゲリラの首謀者であるカストロ氏はクーデターを起こしました。(キューバ革命)
その後、アメリカと敵対関係にあったソ連がアメリカに向けて軍事基地建設を行ったのですが(キューバ危機)、それに怒ったアメリカ(ケネディ大統領)はキューバへ経済制裁を行いました。
革命後に実権を握ったカストロ首相は、経済制裁を受け続ける貧乏な国で、そのような状況の中で最も国益が上がるかを考えた結果、まず伝染病予防ワクチン接種を行っています。
また、上下水道を整備して、衛生環境を改善しました。
次に、全国国民に自給自足を義務付けました。(社会主義国なので、国民は拒否できません)
当然、農薬を買うお金はないので、有機栽培が当たり前になりました。
貧しい国なので、皆が助け合いながら栽培技術を身につけていきました。
その結果、有機栽培のみで大幅な収穫増となりました。
医療に関しては、国民の医療費は無料です。
医薬品などは十分でありませんが、予防医学に力を入れ医療相談などにのり、病気にならないような医療に重きを置いております。
その結果、乳児死亡率は1966(昭和41)年の38人/1000出産から、2008年の4.7人/1000出産となり、アメリカの6.8人を抜いてしまったのです。
平均寿命も革命前が55歳なのに対して、78.6歳となり、アメリカの79.2歳、日本の82.7歳に迫る勢いです。
この驚くべき健康国となったキューバへは、各国の視察団が押し寄せています。
貧乏がゆえに、健康には理想的ともいえる環境を手にした国策は見習うべき点があると思います。
同じ社会主義国でも貧乏ながらにして国民満足度は高く、政府に対する国民の信頼が厚いキューバと北朝鮮とではあまりにも違いすぎます。