徳島県の神山町といえば、人口わずか6000人余り、しかも過疎化と高齢化が平行して進む田舎町です。
東京のベンチャー企業が、2011年8月に当地の古民家にサテライトオフィス(SO)を開設しました。
SOを開設したのは、名刺管理システムを開発・提供する企業「三三(さんさん)」です。
オフィスは木造2階建てで築70年の住宅です。
1回の居間が仕事場となり、残りの部屋や台所は社員の生活空間となっています。
この町は光回線が整備されているので、パソコンをインターネットに接続すれば。本社にいるのと同様にすることができるという環境にあります。
こうして延べ20人の社員が町に滞在し、マーケティングや法務、広報、システム開発など多様な業務を問題なくこなしています。
自然豊かなこの町の環境は「よく寝て、よく食べ、よく働ける」「東京に比べて気分転換がしやすい」と社員に好評です。
最近では、自ら神山行きを志願する者も多いといいます。
徳島県も限界集落対策として推進しているSO誘致事業では、東京のITサービス会社が現在当地で実証実験を開始しています。
その結果、「東京では会う機会のない人や企業と出会うことができた」と話し、SOの大いなる可能性を感じた様子でした。
こうして新しいネットワークが地方に広がりつつあり、地方の魅力が再認識されようとしています。