シェイクスピア全集6冊目: 『夏の夜の夢・間違いの喜劇』 | Diary of a Goat in NYC

Diary of a Goat in NYC

One Goat and her journey.

プエルトリコ最後の夜は

彼とビーチ沿いを散歩し

ゆっくり色々と今回の喧嘩の事や

将来の事を話しました。

こうやって話が一緒にできるパートナーに

心から感謝したい。


さて無事にプエルトリコ旅行も終わり、

ニューヨークに戻ってきました。

(行く前はグリーンカード更新中なのが心配でしたが、

プエルトリコは国内旅行扱いだったのもあり、

ニューヨークの運転免許証だけで旅行が出来ました。)


旅行はいつものようにスケジュールを

予定でいっぱいに埋め込まなかったので

のんびり読書もいっぱい出来ました。


これが大人の旅行だろうかぁ。

???




夏の夜の夢・間違いの喜劇

A Midsummer Night’s Dream

The Comedy of Errors


この本を買ったとき、

随分他のに比べて分厚いと思ったら

シェークスピアの短めの作品2つが

1つの本になっているだけだった。


どちらも

サクッと安心して読める

ハッピーエンディングの作品でした。


ぐちゃぐちゃもつれるけど

収まるところに収まる感じ。

これまで読んできたシェイクスピアの作品が

結構グロテスクだったり

人が死にまくる作品だったので

逆に新鮮な。

ちょっと十二夜的な安全圏な作品


十二夜

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1. 夏の夜の夢

A Midsummer Night’s Dream


この中で一番印象に残った登場人物は

ボトム

彼だけが自分の意識を保持しながら

妖精たちと交流した

唯一の人物ではないだろうか。


人間からも妖精からも

散々馬鹿にされるけれど

大変おいしいキャラだ。

仲間からは尊敬されているし、

彼なりの曲がらないキャラが

一本貫かれていて

やっぱりボトムが私のお気に入りだ。


この作品にはピーター・パンのキャラクターである?!?!

妖精パックも出てくる。



夏の夜の夢を読んだ後の​私の妖精論

おそらく1500〜1600年台は

妖精が人々の心の中に

普通に存在していたようだ。

2023年には残念ながら

妖精達の存在は完全に否定されて

非科学的な事を信じると馬鹿にされる。

信じなくなったから、

2023年の私達は

妖精からも相手にされなくなって

それは実に残念な事だと思った。

ふと思うのだが、

世の中には人間の理解を超えた法則が

まだまだ信じられないくらいたくさんあって、

だからこそ、

「科学的」っとかに頼りすぎるのは

危険だと思う。


太陽を造ったのは人間ではない。
月を造ったのだって、
山や川や海や大地を作ったのも
人間ではない。
鳥や動物や魚だって人間が
造ったわけではない。


そう考えると
非科学的、論理的でないと結論をすぐに出してしまうような人は可哀想だ。

だって人間が証明できた範囲の内でしか

生きていないから。

自分達で自分達を柵の中に閉じ込めて

その中だけで生きてるなんて

ちょっとつまらない気もする。


まだ証明できていない事を信じながら

より広い可能性を秘めた世界で生きる方が

豊かな人生だと思う。


ようやくそういう事にも
言葉に少し出来るようになった。


それにしてもこの本を読んで確信した。

妖精はまだ私達の近くにいる。


私達はきっとまだ、

彼らに完全に見放されたわけではない。


妖精の王オーベロンが使った

キューピッドの矢が落ちた場所に白く咲き

恋の傷で真紅に染まった花の絞りつゆの件だが、


この本を読んだ後の今は

私は妖精達がそのつゆを

私のフィアンセのまぶたに

塗ってくれたんだと信じて疑わない。


冒頭でも述べたが、

彼とはそれぞれの視点で見えた

今回の旅で感じた思いを散歩しながら

語り合った。

まだ2人とも未熟で

感情に理性が奪われるけれど

こうやってちゃんと話せる事で

2人はまだ捨てたもんじゃないと思い直せる。


だから妖精よ、遊びに来てくれてありがとう。


のっぽのヘレナとチビのハーミア

ツッコミどころ満載ですが、

それにもまして

女性の心理をこうやって描ける

シェークスピアはやっぱり

当時も男性から結構尊敬されたに違いない。



2. 間違いの喜劇

The Comedy of Errors


打って変わって

こちらの作品には

魔法や妖精は一切登場せず

超現実だけで展開するのだけれど

ありえないくらいの奇跡が起こる。


コメディーチックな場面に

振り回されると見えないけれど、

こういう奇跡が起こる世界に

やっぱり私達は

住んでいるんだと思える事自体

ある意味素敵だ。

奇跡は常に信じたい❣️


この作品で群を抜いて冴えていたのが、

ルシアーナ

だった。「不倫」に寛容で

理解のある独身女性。


第三幕第二場

でシラクサのアンティフォラスに

話した内容なんて

男心と女心への理解が深すぎて

参考になる。


私は嫉妬が深い方なので、

第五幕第一場

で尼僧院長が

エイドリアーナに語った言葉も心に響いた。

400年も前から送られた言葉。


ストーリーは

水戸黄門を見ているように

何だか安心して見ていられる。

到着地点は最初から見えていて

そこにちゃんと辿り着くのが

私のような性格の人間にはスッキリして良い。



っという事で

手持ちのシェークスピアがなくなったので

プエルトリコから追加注文。

全然馴染みがない

リチャードとヘンリーシリーズを

一気に読みたい。

(一気できるかなぁ。。)


到着は一カ月後くらいだそうだ。

  1. リチャード二世
  2. リチャード三世
  3. ヘンリー四世
  4. ヘンリー五世
  5. ヘンリー6世
  6. ヘンリー八世


その間に

クリスマスの時に買った

ドストエフスキーさんの白痴を読み始めたい。

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前回:シェイクスピア5冊目

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