人はもともと、知りたいという欲求を心に備え持つ生き物です。
生まれてくるとき携えているのは、生と知の欲求だけです。
そこから、自分から見て外部にあるすべての未知を自分の中に取り込んでいきます。
しかし、歳を重ねるにつれて知っていることも多くなってくると、世間で言う「常識」という存在が姿を現します。
そこで人は、知らないことに恥を覚え、知ることに怯えを感じるようになります。
「そんなことも知らないのか」
「聞いて笑われたらどうしよう」
と。
これが積み重なり、人はどんどん知的欲求を失っていきます。
「知りたい」とは本来、ヒトに備わっている本能のようなものです。
これを学習指導要領など、世の中の規範に合わせて上達を目指すことを「自学自習」と呼びます。
ですから、「勉強が苦手な子には自学自習は無理だ」というのは全くの誤りです。
中学生や高校生は勉強の楽しさに触れることなく、勉強への知の意欲を閉ざしてしまうことが多々あります。
これを元に戻すのに一番手っ取り早い方法は【形から入る】ということです。
学習する姿勢をつくり、し始めてみる。そして勉強する自分に慣れていく。
すると自然と学問に対する欲求が芽生えてきます。
ここでしてしまいがちな間違いは、「形から入る」=「無理矢理させる」と勘違いしてしまうことです。
無理矢理させてしまっては、それはもはや欲求を削ぐ行為。
ですから「自分が望んでやっているんだと思うこと」また「ストレスをできるだけ感じないような環境」が必要です。
たとえば、勉強を楽しんでいる人のそばにいることなどはとても良いことです。
いくら教えるのが上手でも「勉強なんて面白くないものだ」と思っている人に教えてもらっては、内容が良く分かるだけで身に付きも楽しめもしません。
気持ちを育てるのに良い環境で、取り組むことが大事なのです。
自学自習とはこのようにして身に付けます。
『まずはやってみる。』
シンプルですが、少し難しいですね。