部分を緩め過ぎると逆効果・・・ | 理学療法士からみた医療・リハビリテーション・代替療法の風景~新しいオステオパシーへ

前回の内容にも関わりますが、足部の調整についてきになることがあります。


先日、スタッフが後輩に足部の調整の指導をしており、実際にデモで施術をしておりました。終了後、「足が軽くなりました!!」と喜んでいましたが、これはマズイとみていました。


片足だけ集中的に緩みすぎて、そちら側に重心が落ち込み、体幹もいわゆる抜けた状態。翌日、後輩は「反対側の下肢が筋肉痛になりました・・・」と言っていました。


片足が緩み過ぎ、それを補うために反対側の下肢がオーバーユースで過緊張状態となり、「筋肉痛」となったわけです。




このケースは実は臨床でよくやってしまうパターンです。


バランスのことは頭ではわかっているのにいざ臨床にはいるとそこが抜けてしまいます。とくに足関節の重症難渋例では関節可動域の獲得が一番重要視されるため、盲点となります。可動域がでないからうまく歩けない、もっと角度を出さないとまずいと思ってしまいます。


重症なケースで腫脹・疼痛があり可動域獲得は確かに大変です。実際焦りますよね。


代行訓練で、そのような患者さんをみると、反対側の下肢は過緊張で、体幹もいわゆる抜けた状態です。


このとき、まず反対側の過緊張状態を改善させるとバランスが改善するため、歩きやすくなります。そこから受傷部位にアプローチします。すると、部分的アプローチは定着していきます。


特定の部分の解剖について勉強しており、技術があるひと程陥るパターンです。それもない人は変化すら起こせないので、論外ですが・・・


ただ、これはどちらかというと一般的なアプローチで、部分と全体を往復できたらいいですよという話です。


新しいオステオパシーでは、部分と全体という対立の上にあります。部分がそのまま全体に統合される感じです。足関節にアプローチすると体幹も整い、バランスも改善していきます。