⑤メイウェザーvsパッキャオ…スーパーファイト実現までの17年⑤ | Go↑kunの海外ボクシング記♪

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よし次は…2006年!この辺りからは…記憶にも新しい試合が多くなりますね☆

早くこれ書き上げて、近況UPに入らなければ…。

http://www.boxingscene.com/mayweather-pacquiao-17-years-superfight-2006--89192

■ 2006年、メイウェザーが新たに栄冠、パッキャオのライバリーも完結!

- 2006年1月21日
マニー・パッキャオ (40勝31KO3敗2分) リング誌評価No.3
エリック・モラレス (48勝34KO3敗) リング誌評価No.2
※ノンタイトル戦

135ポンドでザヒール・ラヒームに敗れていたモラレスだが、リマッチが実現するとファンは大喜びだった。

初戦と比較すると、頭と上体の動きが良く、ブロッキングも上達していたパッキャオ。スマートな戦術も光った。勿論、モラレスの攻撃を全て無効に出来たわけではなく、右を貰うが、モラレスは明らかにヒット率が下がっている。

しかし2ラウンド、ヒートアップした両者は激しく打ち合う。分があるのはパッキャオか。3ラウンドと4ラウンドはモラレスがやや有利で進む。ヒット率は初戦と比べれば低いが、モラレスのジャブはパッキャオのスピードに対しまだ効果的だ。5ラウンド終了時、採点は難しい。モラレスに4ラウンド与えることも出来そうだし、パッキャオに3ラウンドでもおかしくない。

6ラウンド、パッキャオが攻勢を強める。ラウンド序盤と終盤にモラレスを効かせる。モラレスがミスしたところに凄まじいコンビネーションを打ち込んでいく。7ラウンド、モラレスも打って出るが、ペースを奪うには至らない。パッキャオのボディ打ちも効果がありそうだ。

9ラウンド、これまでに比べたら我慢強く戦うパッキャオ。これがモラレスにとっては厄介だ。モラレスのパンチを浴びはするが、初戦と比べたらどれだけかわしているか。読みやすかった攻撃も、バリエーションが増え、モラレスは対抗出来ない。

10ラウンド、ボディを効かせたパッキャオ、終盤には左の打ち下ろしでモラレスがダウン。モラレスにとって公式には初めてのダウンだ。立ち上がり、何とかパッキャオの攻撃をこらえるモラレスだが、再び猛攻を浴びでダウン。レフェリーが試合を止めた。

モラレスにとって初のストップ負け。パッキャオにとってはキャリア最高のパフォーマンスであり、最もインテリジェントな試合だった。


【vsモラレスII】

結果的にラヒーム戦敗北の影響はそれ程なかった様だ。リマッチのPPV契約数は360,000件と初戦を超えた。

結果: パッキャオの10ラウンドTKO勝ち。


- 2006年4月8日
フロイド・メイウェザーJr. (35勝24KO無敗) リング誌評価No.1(S.ライト級)
ザブ・ジュダー (34勝25KO3敗) リング誌評価No.1 (IBFウェルター級王者)

期待された大一番だったが、ジュダーが2006年1月の前戦でアルゼンチンのカルロス・バルドミールに番狂わせの敗北を喫したおかげで微妙な空気になっていた。メイウェザーもそんなジュダーを非難しながら試合が組まれることになる。バルドミールがIBFに認可料の支払いをしなかった為、負けながらもIBF王座が手元に残ったジュダー。バルドミール戦前まではコーリー・スピンクスをKOした試合を含め4連勝であった。

この試合の序盤のキーワードは、ジュダーのスピードと我慢強さだった。1ラウンド、メイウェザーに左ストレートが当たることを見せてくれ、2ラウンドには右のリードでメイウェザーに手を付かす。レフェリーのリチャード・スティールは見逃したが、完全なノックダウンだ。3ラウンド、メイウェザーもアグレッシブになるが、ペースを支配していたのは明らかにジュダー。4ラウンドには左を突き刺し、ロープに詰めて連打を見舞った。左を当てるポイントを抑えているジュダーは、右のカウンターもヒットさせる。メイウェザーも反撃はするもジュダーペースだ。

5ラウンドに入ると、メイウェザーが修正、左をクリーンヒットされなくなってくる。少し距離を詰め、右のリードをヒットさせボディをえぐる。ジュダーもラウンド終盤に左をヒット、ラウンド終了時にはトラッシュトークを浴びせる。

6ラウンド、試合は若干スローダウン。両者見せ場はあるが、印象深いのはメイウェザーだ。7ラウンドと8ラウンド、ラウンド序盤から中盤はメイウェザー、ジュダーが最後に反撃する。9ラウンドに入ると、メイウェザーがほぼ3分間を支配する様になる。

そして10ラウンド終盤、ジュダーの完全なるローブローと後頭部への打撃で試合が止まった。

レフェリーは時間を止めて、ジュダーにニュートラルコーナーへ下がる様に指示するも、メイウェザーのセコンド陣がリングに流れ込む。トレーナーで叔父のロジャーは怒り心頭でジュダーに文句を言っている。そしてジュダーも喧嘩モードに突入、レナード・エラルベにパンチを見舞い、ロジャーと取っ組み合いに。大乱闘だ。

警察とセキュリティガードがリングに入り、両陣営を分ける。この混沌の中で唯一冷静さを保っていたのは他ならぬフロイド・メイウェザーJr.のみであった。ロジャーは退場処分。反則負けにならずに済んだのはラッキーだったかも知れない。結局、両陣営に減点もなく試合は再開されることになる。

10ラウンド残り8秒から、両者がグローブタッチをして再開。試合展開はその後も変わることがなく11ラウンドもメイウェザーが奪取。12ラウンド開始前には抱き合った両者、ジュダーも一発逆転を狙うがそのまま終了のゴングとなった。

メイウェザーがユナニマスデシジョンを制してウェルター級タイトルを獲得。29歳にして4階級制覇を達成した。


【vsジュダー】

ジャッジ、グレン・ハマダが付けた119-110は有り得ないと思う。メイウェザー勝利は動かないが、メイウェザーが11ラウンド取っていたとは思えない。ジュダーはバルドミールに敗れたことでウェルター級のリング誌ランキングは3位になっていた。前の2人はアントニオ・マルガリートとシェーン・モズリー、チャンプはバルドミールだ。パッキャオvsモラレスIIと同様、ジュダーが前戦で敗れていたことは興行にさほど影響はなかった様だ。PPV契約数は375,000件。

結果: メイウェザーの12ラウンドUD勝ち
メイウェザーのタイトル戦績:  15勝8KO無敗


- 2006年7月2日
マニー・パッキャオ (41勝32KO3敗2分) リング誌評価No.1
オスカー・ラリオス (56勝36KO4敗1分) リング誌評価No.1 (S.バンタム級)
※ノンタイトル戦

ラリオスは2005年12月にWBCの122ポンドタイトル戦でイスラエル・バスケスに3ラウンド、カットによるTKO負けを喫してから1試合を挟み、130ポンドに上げてパッキャオ戦に臨んだ。その試合でも1ラウンドにはバスケスからダウンを奪っている。1997年の初対決ではKO負けをしているが、2002年のリマッチでは勝利も収めている。更にパッキャオに善戦したナデル・フセインや元バンタム級王者のウェイン・マッカラーからも勝利を挙げている。

下の階級から上げてきたにも関わらず、身長はラリオスがパッキャオを5cm以上も上回っていたが、1ラウンド、2ラウンドとパッキャオがテンポの良い攻撃で攻勢を奪う。2ラウンドにはラリオスの左眼を切り裂いた。

3ラウンド、ラリオスも反撃だ。開始早々にパンチで膝が揺れるパッキャオ。ロープに詰めたラリオスは強烈な右を連発、何とかピンチを脱したパッキャオはラウンド中盤から攻勢を強める。

ピンチを乗り越えたパッキャオはモラレスとのリマッチで見せた進化が本物だったことを証明していく。そしてペースを完全に掌握した7ラウンド、左でダウンを奪った。

ラリオスが何処まで耐えられるかという展開になった試合だが、勇敢なラリオスはポイントを失いながらも反撃の手は止まることがなく、10ラウンドには久々にクリーンヒットも奪う。そして試合終了のゴングまで熱戦は続いた。判定は大差でパッキャオの勝ちだ。


【vsラリオス】

この試合が今日までで、フィリピンで行なわれたパッキャオの最後の試合だ。アメリカでPPV放送されたこの試合の契約数は120,000件だった。

結果: パッキャオの12ラウンドUD勝ち


- 2006年11月4日
フロイド・メイウェザーJr. (36勝24KO無敗) リング誌評価No.1
カルロス・バルドミール (43勝13KO9敗6分) リング誌評価チャンピオン (WBC王者)

バルドミールにとって2006年は飛躍のシンデレライヤーだった。147ポンド最強と言われたザブ・ジュダーを1月に下したからだ。1998年以降21連勝、その中には後の世界王者で当時無敗だったジョシュア・クロッティを下した試合もある。ジュダー戦後の防衛戦でもアーツロ・ガッティを9ラウンドでストップし、メイウェザー戦を迎えている。

ジュダー戦の罰則とDV問題でロジャー・メイウェザーはセコンドに付けない中、メイウェザーはグラジエーターの格好で颯爽とリングに登場した。

バルドミールのスローなパンチと脚ではメイウェザーを捕らえることは出来なかった。1ラウンド、何とか打ち合いに巻き込みたバルドミールだったが成功せず、メイウェザーにとっては格好の的になってしまった。

序盤、メイウェザーは自分が当てたいパンチを全て当てていたと言っても良いだろう。左右のリードブローとボディブローを放ち、追ってくるアルゼンチン人がパンチを振った時にはもうその場にはいない。

試合が進むに連れ、試合よりもHBOの実況と解説の方が面白みを帯びてくる。メイウェザーが全てのラウンドを取っているし、バルドミールに効果的なパンチは無い。メイウェザーが何故仕留めに行かないのかが解説の焦点になっている。

そのまま試合は終了した。1人のジャッジは2ラウンド、バルドミールに与えているが正直理解出来ない。他の2人はフルマークだった。メイウェザーは試合後、右拳を痛めて思った様に攻撃が出来なかったと明かした。HBOのラリー・マーチャント氏とのリング上インタビューはこの時から熱かったのだ。

メイウェザーにとっては勝利することが全てだった。既に彼の目は次なるビッグマッチに向いていたのだろう。同じ時代を生きたメガスター、オスカー・デ・ラ・ホーヤ戦の実現はすぐそこにまで来ていたのだ。


【vsバルドミール】

バルドミール戦のPPV契約数は325,000件とガッティ戦、そしてジュダー戦に及ばなかった。この勝利でリング誌の王座も3階級制覇だ。

結果: メイウェザーの12ラウンドUD勝ち
メイウェザーのタイトル戦績: 16勝8KO無敗


- 2006年11月18日
マニー・パッキャオ (42勝32KO3敗2分) リング誌評価No.1
エリック・モラレス (48勝34KO4敗) リング誌評価No.3
※ ノンタイトル戦

モラレスにとって最後のS.フェザー級戦を前にチューンアップ戦は組まれなかった。10ヶ月休養をしたモラレスだが、リフレッシュは出来ていない様に思えた。1ラウンド、モラレスも良い右を当てるが、それ以外はパッキャオのターゲットと化していた。パッキャオは左右の強打でモラレスを脅かす。

2ラウンド、更に打って出るモラレス。打ち合いの中、右をヒットさせる。ラウンド終盤、モラレスの右でパッキャオがロープに下がっていく。打ちに出たモラレスはワイドオープンだった。そこへパッキャオの左を浴びモラレスがダウン。立ち上がったモラレスは更に打ち合いを仕掛ける。トラッシュトークも出ている。

3ラウンド、パッキャオの右で効かされるまではモラレスもファイトしていた。しかし右を浴び、更に強烈な左。ロープまで吹っ飛ばされたモラレスは又しても立ち上がる。そしてフィニッシュの左。腰掛けた状態で敗北を受け入れる表情をする伝説のファイター。力なく首を左右に振ったモラレスを見てレフェリーが試合をとめた。降伏ではあったが、何処か清清しさを感じた。


【vsモラレスIII】

モラレスとのラバーマッチのPPV契約数は350,000件。3度に渡る激闘はS.フェザー級で最もお金を生み出したシリーズである。モラレスはこの後、WBCライト級王者だったデビッド・ディアスに挑み僅差の判定負けを喫し1度目の引退をする。第3戦の計量ウェイトでパッキャオは129ポンドだったが、試合時には144ポンドだったと言われている。バルドミール戦のメイウェザーは146ポンドで計量し当日は149ポンドだった。

リング誌とBWAAは2006年の年間最優秀選手にパッキャオを選出した。

結果: パッキャオの3ラウンドKO勝ち

続く…

- 以上 -

次は2007年…まだまだありますね(笑)

1度休憩を入れて、近況書きますかな(笑)

チャオー。