チャベスJr.…独自のアイデンティティを切り出す時! | Go↑kunの海外ボクシング記♪

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ボクシング…勝者と敗者のあまりにクッキリとしたコントラスト…。魅力的な選手達のバックグラウンド、ボクシングビジネスの側面、プロモーター達の思惑、選手の声、あまり入ってこない海外ボクシング情報を書きたいと思います!宜しくお願い致します!

Boxingscene.comのマネージングエディター、ジェイク・ドノバンさんの記事です。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=56983#ixzz26Gdrw3Yc

【以下適当訳】

もう何年にも渡り、チャベスJr.のキャリアは常に疑いの目で見られてきた。

メキシコ史上最も有名で最も偉大なファイターの息子。チャベスJr.はいつだって甘やかされて育ち、簡単な相手を倒してランキングを上げてきたと思われてきた。今だってきっとその様な見方は多くの人達にされているだろう。

9月15日、いよいよミドル級最強と呼ばれる、セルヒオ・マルティネスと戦う為に、ラスベガスのトーマス&マックセンターへ上がる時が来た。

会場はソールドアウトだ。チャベスJr.にとっても9年のプロ生活、最大のファイトマネーを得る機会なのだ。

『多くのファン達は僕が何年もの間に渡って、ボクシングに捧げてきたことや準備をしてきたことをずっと見てきてくれてるんだろうね。』

チャベスJr.はこの15か月の間、トップ10ファイターとばかり5連戦目だ。

『僕は成長しているし、これまでに成し遂げたことからも自信を深めているんだ。ここに来るまでにどれだけ難しかったかも良く理解しているし、観てくれる人をガッカリさせる様なことは絶対にしないよ。』

チャベスJr.がリングでどれだけ輝こうが、批判された時期は確実にあった。ビッグマッチのアンダーカードで試合が組まれても、批判の声は止まらなかった。人気のある有名なチャベスJr.を着実に成長させたいという、トップランクを含む、アメリカのプロモーター達の意向も少なからずあっただろう。

チャベスJr.はそれでも戦い続けた。

トップランクのボブ・アラムCEO。

『プロモートするってことに関して一言だけ言いたい。何故フリオはもっと早くマルティネスと戦わなかったって必ず聞かれるんだ。理由は、フリオが多くを学んでいる過程だったからだよ。そして今、遥かに準備を整えた状態で戦えるんだ。』

『1年位前にも戦うチャンスはあったよ。でも今回程、大きなイベントになったと思うかい?今回、このタイミングでマルティネスと戦うことが、これだけのアテンションを引いてるんだ。1年前じゃ考えられない程にね。』

今回はベルトの因縁もある。チャベスJr.が初めて巻いたベルトはセバスチャン・ズビック戦だったが、その前にこのベルトを持っていたマルティネスの防衛戦の相手にズビックの名前が出た時、HBOはそれでは売れないから放映しないと言っていたのだ。

WBCミドル級のベルトは元々マルティネスが保持していながら、ある意味強制的に剥奪され、それをチャベスJr.が得ることになった。この事実から、よりパーソナルな一戦になっていることは間違いないだろう。マルティネスも随分とこのことについては話をしている。

チャベスJr.も強烈に反論していることは皆さんもご承知の通りだろう。

『マルティネスのビッグマウスは凄いよね。9月15日に彼を永遠に黙らせることが出来るよ。ただの臆病者のくせにね。』

最近になってチャベスJr.が覚えたことの1つが、ボクシングファン達からの批判への対応だ。どこまで行っても、伝説的な父親との比較が消えることはないだろう。例え今週末のビッグマッチに勝ったとしてもだ。

チャベスJr.もそれは認識している様だが、リング内でのパフォーマンスで批判の声を黙らせる様に祈っている。

『多くの人達が色々言うのは仕方ないよ。僕はその人物の息子なんだしね。でも少しずつ自分のことを証明出来ているとも思う。リングでね。ここ数戦のパフォーマンスも観てくれてるだろ?あれは僕の実力だよ。僕の勝利だし、僕の王座だ。』

マルティネスも当然やる気満々だ。オッズもアルゼンチンのスター有利と出ている。しかしオッズは誰もが予想するよりも開きが少ないことも事実である。少し前ならミスマッチとも思われたかも知れない試合をチャベスJr.は実力でここまで持ってきたのだ。

チャベスJr.のチームメート達もこのタイミングで試合が出来ることに自信を深めている様だ。

2年間、チャベスJr.の面倒見ているトレーナーのフレディ・ローチ。

『アンディ・リー戦でサウスポーを相手に出来たことは、凄く大きいと思っているんだ。』

『それまではサウスポーとの試合経験も少なかった。でもリーを相手に良い試合をしたしね。』

『あの試合後、我々としてもステップアップする時だって思ったんだ。マルティネスもサウスポーだしね。チャベスSr.と私で戦略も練った。フリオ自身もアイディアを持っていたから、3人で戦術を確かめ合ったんだ。』

その戦術が上手くいくかどうか、トーマス&マックの動員記録となる19,000人を超えるファンが集まる確かめることになる。結果はどうなろうが、チャベスJr.は大いなるプライドを持って戦うだろう。

チャベスJr.のここ4戦を振り返ってみると、戦法や結果も色々とあったことに気付く。ズビックはチャベスJr.にとってタフな相手になると予想されていた。昨年6月の試合だ。結果は後半頑張ったチャベスJr.が僅差の判定を引き寄せ、彼自身初のメジャータイトルを獲得した。

ピーター・マンフレドJr.戦では生まれ変わったと思わせるパフォーマンスを見せた。昨年11月のこの試合では滑らかな動きを見せ、一方的なストップ勝ちを収める。

2012年最初の試合では、昔のチャベスJr.に戻ってしまう。結果は誰もが納得する判定勝ちではあったが、減量失敗の影響もあり、ベストからは程遠い内容だった。

今年6月のアンディ・リー戦では、遥かに良いトレーニングキャンプを送った様だ。アイリッシュのサウスポーを相手に逆転の7RTKO勝ち。この試合後、初めて多くのファンや関係者がマルティネス戦を期待する様になったのではないか。

『僕はいつだってマルティネスと戦いたかった。最初にタイトルを獲った時から必ず戦わなければならないと思っていたんだよ。』

アマチュアの実力者、プロの叩き上げ、様々なタイプを打ち破りここまで来たのだ。

『前回の試合後にプロモーターからマルティネス戦が決まったと聞かされた。本当に嬉しかったね。必ず実現すると思っていた。ファンも観たいし僕もやりたいんだから。僕はファンの為にいる。ファンの為に最高の試合を見せたいんだ。だからこそ今このタイミングで試合が実現するんだ。』

何故、今このタイミングがベストなのか、もう1つの理由をアラムが語る。

『フリオは、ズビック戦、ルビオ戦、マンフレド戦、そしてリー戦を得て、ファン達の注目が凄く上がったんだ。HBOも太鼓判さ。彼の人気は凄い勢いで増えているんだ。今回、9月15日の試合でもしフリオが勝ったら、彼はボクシング界でも最大の人気を得ることになる。』

『パッキャオやメイウェザーの様な存在になっていくだろうね。実際、会場はソールドアウトだし、PPVの売り上げは恐らく皆さんが想像するよりも遥かに凄い数字になるよ。』

今週の火曜日を持って、チケットは正式に売り切れが発表された様だ。両者がラスベガス入りする少し前の出来事だ。

『フリオがマルティネスと今戦うという事実が大事なんだ。より準備が整い、誰もが得をする。マルティネスにとってもそうさ。ファイトマネーが増えるからね。だからこそこのタイミングで試合が実現するんだよ。』

今週の水曜日はチャベスSr.がヘクター・カマチョを粉砕してから20周年記念だ。そしてこの試合も同じ会場で行われた。当時6歳だったジュニアが、親父のビッグマッチよりも大観衆を集めることになるのだ。ちなみにチャベスSr.vsカマチョもトップ5に入っている。

チャベスJr.がやるべきことはただ1つだ。このボクシングというスポーツの最も高いレベルの選手と相応の試合が出来るかどうかだ。それが出来れば、彼のキャリアに彼独自のアイデンティティをもたらすことが出来るだろう。ファン達も、彼が誰の息子ではなく、彼のボクシングについてもっと語る様になるだろう。

『僕は自分自身で多くのことを成し遂げてきた。独自のストーリーが僕にはあるんだ。何を言われたって良いさ。でも僕は自分自身を証明してきたし、それは簡単なことではなかったよ。』

― 以上 -

かなり手抜きですので、誤訳ご容赦ください。

そして…ドーン!

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チャオ。