ポール"The Punisher"ウィリアムス…続報。 | Go↑kunの海外ボクシング記♪

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ボクシング…勝者と敗者のあまりにクッキリとしたコントラスト…。魅力的な選手達のバックグラウンド、ボクシングビジネスの側面、プロモーター達の思惑、選手の声、あまり入ってこない海外ボクシング情報を書きたいと思います!宜しくお願い致します!

ショッキングなバイク事故でボクサー生命が絶たれ様としているパニッシャー。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53439#ixzz1wVzfQkVi

その後、病院での振る舞い等が大きな反響を呼んでいるみたいですね。
日曜日に悲劇に見舞われながら、魂は全く錆びついていません。

WellStar Kennestone病院のベッドで腰より下が完全にマヒ状態のウィリアムス。
しかしジョークを飛ばしたり、明るく毅然としているとか…。
又、歩ける様になるのか、その可能性は極めて…極めて低いとされているにも関わらずです。

『ビッグファイトが…俺を待ってたんだよな…。』

『その試合がなくなってしまって本当に申し訳ない。でも仕方ないさ。人生とはそんなもんさ。』

『歩ける様になるのは殆ど可能性がないって医者に言われたよ。脊髄損傷だか何からしいから。』

『自分で座れる様にはなるらしいけどね。でも歩ける様になるとか、全て俺次第だと思ってるんだ。俺は必ず歩くよ。絶対にね。もし歩けないなら、それも仕方ないさ。ボートで釣りでもするよ。』

……マネージャー兼トレーナーのピーターソンさんも驚きの精神力。

『彼は苦しんでなんかいない。痛みもない。骨折も傷もないんだ。だから大丈夫だ。医者は歩ける様にはならないって言ってるけど、それを聞かされた直後、ポールは私にこう言ってきたんだ。"ピーターソン、本当にすまなかった。こんなことが起きて本当に申し訳ない。でもしっかり準備する。そしてキャンプに戻るからね。数日でここから出ていくから。"って…。』


かつてのライバル達も続々とコメントを出しております。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53425#ixzz1wVzpnaKh

2010年5月に対決し、リング外に転げ落ちた挙句、テクニカルデシジョンで敗れた、
プエルトリコの豪腕、カーミット・シントロン。

『リングでは敵として戦ったけど、リング外でのポールは本当に紳士だったよ。2年前にニューヨークのボクシング殿堂で少し話が出来たんだ。彼は素晴らしい男で素晴らしいチャンピオンだ。』

『彼の様な真の王者があの様なことになるなんて悲しいね。ポール・ウィリアムスとサウル・アルバレスの試合は楽しみだったしね。実現してたら、きっとポールが勝っていたと思うよ。俺は彼と彼の家族の為に祈る。ポール・ウィリアムスは別の道でもきっとチャンピオンになる男さ。』

続いてはパニッシャーと1勝1敗、プロ初黒星を与えながらリマッチでは1RKO負けの、
カルロス・キンタナ。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53453#ixzz1wVzvEyn4

2戦戦ったライバルは最近凄く仲良しの友人になっていたそうで、
スパーリングパートナーとしてもお手伝いをしたとか…。

『本当に悲しい。神が全てをコントロールしていると思うけど、ポールが回復出来ることを祈っているよ。2度戦ったけど個人的には大切な友人だし、マルティネス戦前とかにもスパーリングパートナーとしてサポートしていたんだ。悲し過ぎるね。彼は本当に良い奴なんだ。ショックだよ。』


そしてお馴染みクリフ・ロールドさんがPWの記事を書いております。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53455#ixzz1wW0F5nwx

【以下適当訳】
バーノン・フォレストが殺害されて以来、ボクシング界にとって最も悲しいニュースだっただろう。元ウェルター級とS.ウェルター級の世界王者、ポール・ウィリアムスがバイク事故に合い、腰から下が麻痺。二度と歩けなくなる可能性が高い。

1週間前、誰がこんな悲劇を予想出来た?ウィリアムスはマルティネス戦での2RKO負けから立ち直っている途中だった。エリスランディ・ララ戦を幸運な勝利で生き残り、完全復活までもう一歩だった。9月に最も有望な若手、サウル・アルバレス戦が決まっていたのだ。

楽しみにすべき試合だった。そしてウィリアムスにも多いにチャンスがある試合だった。

今となってはウィリアムスのファイティングスピリットは別のリングで発揮されることになる。ボクシング界にとっては大きな損失だ。

苦しい戦いが続くウィリアムス、彼の功績を語りたい。

6'2"というウェルター級では規格外の身長から、素早いパンチを数多く出すのがウィリアムスだった。キャリア序盤の試合はESPN2のテレビで放送されていた彼がメジャーデビューを成し遂げたのは2006年だっただろうか。

当時無敗のウォルター・マティセとの1戦は2006年5月、ジョニー・ゴンザレスvsフェルナンド・モンティエルのアンダーカードで行われた。これがHBOデビュー戦だったが、ウィリアムスはメインを喰らう活躍を見せた。マティセを10Rでストップ、スター誕生の瞬間であり、WBOウェルター級のコンテンダーとして一気に注目を集めたのだ。

時のWBO王者はアントニオ・マルガリートだった。バンテージ疑惑等が囁かれる遥か昔である。マルガリートは絶対的な強さを誇り、ボクシング界で最も恐れられていた1人だった。誰も戦いたくない相手だったのだ。

そして2007年の夏、マルガリートへの指名挑戦者となったウィリアムス。当時からミゲール・コット戦の噂があったマルガリートは、先ずウィリアムス戦を選択することになる。

そしてこの選択がマルガリートにとっては最良のモノではなかったことになる。7月14日、カリフォルニアのホームデポセンターで遂に2人は対峙したのだ。

序盤、からハンドスピードで上回るウィリアムスがリード、マルガリートも果敢に応戦しエキサイティングな試合になる。

11R、王者の底力を見せたマルガリートが攻勢を奪い、誰もが12Rにウィリアムスは捕まると思っていたが、逆に奮起したウィリアムスが最終ラウンドを取り、王座を獲得したのだ。この試合はウィリアムスのスタイル、そしてハートの強さ、全てが出たベストバウトだったのではないか。

ここからウィリアムスのキャリアはジェットコースターの様に激しく上下することになる。カルロス・キンタナ戦では正確なカウンターに苦しみプロ初黒星、しかし再戦では逆に1Rで圧倒的なKO勝利を収める。

その後5戦はS.ウェルター級とミドル級で連勝、その中にはバーノ・フィリップスやウィンキー・ライトも含まれている。

2009年12月、強豪セルヒオ・マルティネスと激突したウィリアムス、初回からダウン応酬の白熱した打ち合いになった。年間最高試合候補にもなった激戦でマジョリティデシジョンを制する。

シントロン戦は怪我によるテクニカルデシジョンで勝利し、マルティネスとのリマッチを迎えた。前回と同じ様な激戦が期待されたが、マルティネスの強烈な左を浴びたウィリアムスは僅か2Rでリングに沈む。

エリスランディ・ララとの復帰戦も議論を呼ぶ判定になってしまった。ジャッジがライセンス停止処分になる等、もめた試合ではあったが結果はウィリアムスの判定勝ち、そしてその後、日本の石田を相手に判定勝ち、まだまだ完全復調とは言えない内容だった。

恐らくウィリアムスがリングに上がることはもうないだろう。彼の功績には感謝をしたいと思う。ウィリアムスは完璧なファイターではなかったし、欠点もあった。

しかしウィリアムスは試合において恐れを微塵も感じさせたことがない。打ち合いに出る意志は、毎試合ファンを楽しませてくれた。ボクシング界において本当のビッグネームとも戦えなかったかも知れないが、噛ませ犬とも試合をしたことはなかった。誰もが対戦を避けたマルガリート戦、マルティネス戦、そしてララ戦、もっと簡単な相手を選ぶことも容易だったはずだ。

今でもマルティネスとララは対戦相手選びに困っているのを見れば分かるだろう。

ポール・ウィリアムスは真のウォリアーだった。そしてそのウォリアーはボクシング界から去ってしまった。現在は回復に向けて、新たな敵と戦うウォリアーになっているだろう。ウィリアムスが勝つ方に賭けるに決まっているじゃないか。

以上

当時25勝24KO無敗のKOセンセーション、マティセ戦!






マルガリートからタイトルを奪ったキャリアハイライト!








キンタナへのリベンジはあっという間の決着!


…頑張れ、パニッシャー!