IBF世界S.ミドル級タイトルマッチ、ビュテvsフロッチ、POSTFIGHT! | Go↑kunの海外ボクシング記♪

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ボクシング…勝者と敗者のあまりにクッキリとしたコントラスト…。魅力的な選手達のバックグラウンド、ボクシングビジネスの側面、プロモーター達の思惑、選手の声、あまり入ってこない海外ボクシング情報を書きたいと思います!宜しくお願い致します!

こんばんは。

週末は毎回あっという間に過ぎ去りますな…。
もう2日位ゆっくり休みたい…(笑)

さて日本時間では27日(日)の朝、S.ミドル級の大一番がありましたなぁ!

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53307#ixzz1w5FiRXfa

チャレンジャー、カール"The Cobra"フロッチの地元、英国ノッティンガムで行われた一戦。
凄まじい雰囲気でしたねぇ…。国家斉唱では…イングランド国家の大合唱…。
正にサッカーのW杯を思い出しました。

王者は無敗のボディパンチャー、ルシアン・ビュテ。
あの雰囲気はさすがに初めての経験だったでしょうねぇ…。

結果は…5RTKOで…フロッチが勝利!!凄い試合でしたねぇ。

ビュテは2008年10月、リブラン・アンドラーデ戦の12R、猛攻であわやストップ負け、
試合終了のゴングがだいぶ早く鳴らされたなんて噂もありましたが…
その後、7度の防衛戦は全て圧勝(6KO)、アンドラーデとの再戦も見事なKOで決着。
Super Sixトーナメントを横目にS.ミドル級最強の声も多かった安定王者でした。

完全に覚醒したと思っておりましたし…左のボディアッパーを効かせられれば、
"The Cobra"も厳しいかと…予想しておりましたが…。

序盤、積極的に出るフロッチ、ビュテはフットワークとカウンターで応戦。
両者良いパンチが時折当たるも、フロッチが手数で圧倒していった印象ですかね。

3R、フロッチのパンチで効いた素振りを見せたビュテがクリンチに逃げ…
4Rもフロッチが嵐の様な連打で猛追、ゴングに救われたビュテ…
コーナーに戻る際にふらつく…。

そして5R、一気に詰めるフロッチ、強烈な右で顔面を跳ね上げ、
更にパンチをヒットさせたところでレフェリーがストップ…ビュテは崩れ落ちる寸前。

エモーショナルなストップシーンでしたな…。

IBF世界S.ミドル級新王者となったフロッチ(34歳)は29勝21KO2敗(2敗はケスラー、ウォード)
初黒星を喫したビュテ(32歳)は30勝24KO1敗。

【Full Fight 動画】



テレビ解説?で会場入りしていた新王者フロッチと同じイギリス出身のカーン。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53308#ixzz1w5G4hB5f

『素晴らしかったね。カールのパフォーマンスは本当に凄かったよ。全てのパンチが効いていた感じだった。最初から全てのパンチで圧倒していたよね。カールがあんなに序盤から飛ばしていくのは初めて観たよ。』

自身も7月14日にダニー・ガルシアとの戦いが決まっていますので、
刺激を受けた様です。

『良い刺激を受けたよ。英国のボクシングは本当に進化しているんだ。カールの素晴らしいパフォーマンスは、僕にも、それに他の若いファイターにも最高のインスピレーションになったはずさ。』


地元の大声援を受け、ビュテを倒した初めての男になったフロッチ。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53321#ixzz1w5GJabmF

ビュテのことを最大限にリスペクトしたうえで、ガンガン行く作戦を実行した様ですね。

『ダラダラとボクシングをする選択肢はなかったね。ルシアンのことを本当に尊敬しているんだ。彼のパンチは凄く強いし、何発か強烈なパンチをもらったよ。でも俺は引かなかったんだ。』

『完全にスイッチが入っていたね。集中出来ていたし決意も固かったんだ。しっかりと自分の仕事をするだけだった。もしレフェリーがストップしなかったら、俺はあのまま12R戦っていったよ。それだけスイッチがオンになってたんだ。』

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53324#ixzz1w5GV9l92

『トレーナーのロバート・マクラケンとプロになって10年一緒に練習をしている成果が出たんだろう。Super Sixの決勝でアンドレ・ウォードに負けた後は、本当にボクシングを続けるかどうか悩んだんだ。』

『でも俺の情熱に疑問の余地はなかった。俺はいつだって4つのベルトを手にして伝説になり、もうボクシングが嫌になるまでトップでい続けることを目標にしている。まだ嫌になってないし、ボクシングが大好きなんだ。朝起きて走って、トレーニングキャンプで自分の身体を鍛えることもね。色々な人がいるし、色々な意見があるとは思う。今回も色々言われたよ。でも批判的なことは全て力になったね。』

『まぁでも今回の試合は全て自分の為だったとも言えるだろう。もし今回勝ってなければ、俺も自分の将来に疑問を持っていたかも知れないしね。引退だってあり得たかも知れない。実際あれだけのパフォーマンスが出来たから、今は全く考えていないよ。凄く強く感じたし、若返った様な感覚すらあったよ。』

『やるか、やられるかの試合になることは分かっていた。このレベルでの試合が出来なくなるなら、もう止めた方が良いこともね。でも過去最高の試合が出来たね。これからも期待してくれ。』


一方…敗れたビュテ。インタビューはまだ出てなさそうですね…。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53326#ixzz1w5GhHR8Z

ビュテのトレーナー、ステファン・ラローチェ(Larouche)さん。

『ルシアンは大丈夫だよ。左眼を少し縫ったけどね。』

『我々としては、序盤が凄く大事だと思っていたんだ。リズムをとってね。でも残念ながらカールの力強いスタートにやられてしまったよ。1R終盤からはペースを握られた。2Rのパンチで効いてしまって、回復出来なかったね。』

『レフェリー?良いストップだったと思う。少し遅い位かな。今後はルシアンと話し合うよ。敗北直後にリマッチだ何だって騒ぐ様なことはしないさ。我々はそういう人間ではないからね。ルシアンの健康と将来が第一だ。これで世界が終わりってわけじゃない。何が悪かったのかを分析したい。』

『ルシアンはいくつかのミスを犯したんだ。その為に敗れてしまった。彼は必ず強くなって戻ってくると私は信じているよ。』

契約上は…リマッチのオプションも入っているそうですね。
次やるとしたら…今後はきっとビュテのホーム、カナダでやることになるんでしょうが…。


そのリマッチに関して…フロッチが一言。※追加更新です。

http://www.boxingscene.com/?m=show&opt=printable&id=53330#ixzz1w5UVgjTe

『個人的にビュテがリマッチをしたがるとは思えないね。3Rが終わった後、彼の眼を見たけどもう自信がなくなっていたよ。ファイターにしか分からないものさ。』

『彼は無敗でここへ来て、完璧に粉砕されたんだ。トップレベルのファイターではなかなかここまで一方的になることはないよ。』

『ボッコボコだっただろ?俺は誰かを痛めつけるのは好きじゃないけど、それが俺の仕事でもあるからね。逆の可能性だってあるわけだし。』

『今回の試合は凄いパフォーマンスだったと我ながら思うよ。キャリアが終わってしまっても驚きはしないさ。まぁルシアンがどういう決断をするかだけどね。』


いやぁ…強烈な試合でしたな…。
試合を終わらせにいくつもりでラッシュする時の…パンチのねじ込みっぷり…!
トップ選手の連打は…本当に良く当たりますなぁ…。

チャオ~♪♪♪