結構夢中になって本を読み、大事なことだと思ってメモしたりするのだけれど、
時間が経つと、ほとんど忘れてしまう。

『魔の山』でハンス・カストルプが、雪山の中で得た決意をあっさり忘れて
しまうこと。

そんな場面があったことすらよく覚えておらず、テレビの解説を観て改めて
読み返そうと思った。

忘れてしまうこと。
そのことですごく悩んでいたのだけど、
そういうものだと予め思っていれば、案外悩むことでは無いのかもしれない。

忘れてしまって困ること以外なら、忘れてもいい。
年齢を重ねて、少し気楽になってきた。

5月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2290
ナイス数:30

ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ (河出新書)ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ (河出新書)感想
與那覇潤さんと小野卓也さんの対話が興味深い。
「どんな選択をしても「負けるかもしれないけど、楽しむことはできるよ」「最後はなんとかなるよ」といった安心感が得られる時に、人は一番自由だと感じますよね。」
読了日:05月05日 著者:與那覇 潤,小野 卓也
砂漠の教室: イスラエル通信 (河出文庫 ふ 20-1)砂漠の教室: イスラエル通信 (河出文庫 ふ 20-1)感想
短い文も長い文も、やわらかい文もかたい文も、それぞれ読ませる文章。読んで難しいところもあったので、噛み砕いて読んでみたい。
読了日:05月10日 著者:藤本 和子
ヒューマニズム考 人間であること (講談社文芸文庫)ヒューマニズム考 人間であること (講談社文芸文庫)感想
とてもわかりやすい文章だった。ルネサンス期と、今と、何も変わっていない状況が進歩していないと思う。
制度や思想の歯車にならないように、問いかけが必要だと思った。
「それは人間であることとなんの関係があるのか」と問いかける人間の心根ーこの平凡で無力らしく思える心がまえが中心とならなければならないかと思われます。
読了日:05月11日 著者:渡辺 一夫
ブルシット・ジョブと現代思想 (THINKING「O」018号)ブルシット・ジョブと現代思想 (THINKING「O」018号)感想
考えの相違があっても、理解があるから対話が深まったのだと思う。
プルーストの『失われた時を求めて』を読みたくなった。
読了日:05月12日 著者:大澤真幸,千葉雅也
83歳、いま何より勉強が楽しい83歳、いま何より勉強が楽しい感想
好奇心があると知識が増えるということの逆命題、知識が増えると好奇心も強くなるということ。その通りかもしれないと思った。
投資のための勉強(入試のため、資格のため、時代の変化に追いつくため)というものと、消費のための勉強(自分のため、楽しみのため、勉強のための勉強)という切り口が新鮮だった。
読了日:05月12日 著者:野口悠紀雄
ジジイの文房具 (「ジジイ」シリーズ)ジジイの文房具 (「ジジイ」シリーズ)感想
合間合間にある、文房具コラムがまた面白い。自作の「文庫本」を作るという発想は自分にはなかった。
読了日:05月19日 著者:沢野 ひとし
対談 数学大明神 (ちくま学芸文庫 モ 6-6 Math&Science)対談 数学大明神 (ちくま学芸文庫 モ 6-6 Math&Science)感想
この本を読むと、数にまつわるおしゃべりを、近くでずっと聞き続けたような感じがする。
十進法と十二進法で、2や3で割り切れるから十二進法の方が便利というのは、納得した。もしも十二進法だったら、どんな世の中になっていただろうか、と想像してみると面白いかも知れない。
読了日:05月23日 著者:森 毅,安野 光雅
日本の歪み (講談社現代新書)日本の歪み (講談社現代新書)感想
三者三様の個性が現れた本だった。微妙に噛み合わないところが、かえって良いと思う。
「目立たないに限る」ということ。「目立つときは自費でやれ」ということ。良くも悪くも、日本の特徴的なものだと思った。
読了日:05月24日 著者:養老 孟司,茂木 健一郎,東 浩紀
トーマス・マン『魔の山』 5月 (NHKテキスト)トーマス・マン『魔の山』 5月 (NHKテキスト)感想
NHKの番組も興味深く観ているが、テキストも読みやすく面白い。小説を深読みする楽しさが分かった。
トーマス・マンの『魔の山』を学生時代とつい最近の二度読んだことがあるが、三度目を深読みしながらチャレンジしたいと思う。
読了日:05月25日 著者:小黒 康正

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