8さんだったんだ | 妄想のヒエラルキー

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現代社会の中で精神を病んでいく小男

  圧倒的な身長の足りなさから得た劣等感

  自作自演と嘘で固めたweb上の虚構の自分

           惨めな現実との亀裂が彼を狂気に走らせる

   乖離した現実と虚構  もうダメかもしれないが  がんばるぽ!

去年のイブの晩、彼女と食事した帰りに川沿いの道を一緒に歩いてたんだよね。 ふと目をやると、小さな仔犬が川で溺れかけてるのに気付いたんだ。 流れはゆるやかだけど、それでも7,8メートルは離れていたと思う。 俺と彼女はどうすることもできなくて、仔犬を呆然と見ているしかなかった。 とその時!、俺の近くを歩いていた小柄な男が、果敢にも川に飛び込んだんだ。 男は見事な犬かきで仔犬に追いつき、首ねっこをくわえてアッという間に 岸へたどり着いた。 驚いて男の顔を良く見てみたら、ネットで有名なあの8さんだったんだ。 「大丈夫ですか?Webと印象違いますね」と声をかけてみたら、 「ええ・・・・Webのは演出なんですよね・・・・・。」とだけ言い残し ずぶ濡れのまま、夜の街へ消えていった。 その日以来、Web上で見かけるたびに、心優しく勇敢だったあの夜の彼を思い出す。 2chであの書き込みを見ている人には、信じられないと思うけど、全部作り話。