横山やすし | 妄想のヒエラルキー

妄想のヒエラルキー

現代社会の中で精神を病んでいく小男

  圧倒的な身長の足りなさから得た劣等感

  自作自演と嘘で固めたweb上の虚構の自分

           惨めな現実との亀裂が彼を狂気に走らせる

   乖離した現実と虚構  もうダメかもしれないが  がんばるぽ!

日常会話でね、晩年は「名古屋」って言葉が思い出せなかったりもしたんだって。 主に殴打事件の後遺症なんだろうけどね。 「この前新幹線乗って、ほら大阪と東京の間・・・ホラ・・・・・・」って言って、名古屋という名詞が出てこない。 「静岡」が思い出せないくらいなら、まだ見込みがあるけど、名古屋が思い出せないようでは これはどうしようもないということで、支援してくれそうな人も見限ってしまったんだって。 それから 「この前は水が良かった。ホントに良かった・・・ぶぶが」って言うから 一体何かと思ったら、水=お湯で風呂のことだったんだって。 つまり「風呂入って気持ちよかった」ってことだったらしい。 喋りが命の漫才師なので、そういう実際の状態を知っていた人達は皆見放したそうだ。 一日中自宅の壁に寄りかかって座り、缶ビールの一リットル缶を周りに並べて篭城するみたいに 結界を張ってずっと呑んだくれていた。「ビールはキリン!」と無条件に思い込み言い切っていた ヤッさんだったので確かにキリンが並んではいたが、経済状況が苦しいのか半分以上は 発泡酒の「麒麟」だったのが、哀れであった。 そしてその当人は腹水がたまって膨らんだ病気の腹を抱えながら片時も缶発泡酒を手放さず 最後には「もう、死んだらええねん」が口癖となっていた。 そして、その通りそのまま、その状態で死んでるのが発見されたんだよね。 壮絶にして哀れなり。横山やすし。 静かに眠れ。