聖書の『神』は、それまで世界中で信仰されてきた神々とは明らかに違う特徴があります。

四大文明(エジプト、メソポタミア、インダス、黄河)が興った、いわゆる先史時代はどの文明においても、始まりは女性を中心とする【母権制社会】のシステムの中で、女神信仰と同時にアニミズム(自然崇拝)とが混在した宗教が確立されていました。古代文明の遺跡から多くの女神像が発見されているのはその何よりの証拠です。

大地母神が世界に豊穣をもたらし、それぞれの力を司る神々と、自然の働きを体現する霊的存在たちが色彩豊かに神話世界を紡いでいきました。

時代が進むにつれ、母権制と父権制が交わりながら、さらに神話の神々が生き生きと彩りを放つようになりました。インド~仏教、ギリシャ~ローマ、ゲルマン~ケルトなど、数多くの魅力的な神々が、まるで人間臭く感情溢れる一面を覗かせながら活躍していますよね。

聖書の『神』はそれまでの種々の神話の神々の性質を取り入れ、それぞれ【都合の良い解釈にねじ曲げて】生み出された、「唯一にして絶対的な神」であり、「絶対強固な完全なる父権制の象徴」となりました。ゆえに【父なる神】と呼ばれるわけです。言うなれば聖書も『神』も、壮大な「つぎはぎ」により創られた、世界最大の『コピペ宗教』というわけです。

ちなみに、それとまったく同じ事は日本でも同様に行われていて、『古事記』・『日本書紀』は、それより以前に存在していた各地の「古史古伝」の文献を参考に、大和朝廷にとって都合の良い部分だけを切り貼りして編纂されたものです。

さて、聖書における『神』は、多神信仰を完全に排した世界初の一神信仰を確立させました。『神』以外に神はなく、世界と世界の全ての存在は『神』によって創られ、全ての現象は『神』の神性のそれぞれの側面であり、すなわちこの世界が『神』の愛そのものである、という考え方です。

もちろん神が世界の諸々の表れであるというその思想自体は珍しいものではありませんよね。これはインドや仏教などから取り入れられたものなのですから当然です。

決定的に違うのは、世界を構成するのが「神々」ではなく、「唯一の神」であるという事。聖書の『神』は他のいかなる別の神の存在も許さなかったのです。

ゆえに『神』以外の神と信仰は全て【絶対悪】と見なされ、先祖が伝えてきたカナンの神話を手始めに、周辺国家の神や神殿、遺跡、信仰者などを徹底的に破壊・蹂躙・抹殺してきました。古代の神々は【悪魔】とされ、都合よく『神』の正当性を演出する噛ませ犬に貶められたのです。やっている事はまさに今現在のテロ国家、『イスラム国』と何ら変わらないのです。

そこまで徹底的に「唯一神」にこだわったのには、理由があり、その最大の目的が【母権制社会の完全なる撤廃】でした。男性のみが絶対権力を誇る社会システムを作り上げるために、絶対なる男性性の力の象徴が必要だったわけです。その野望の結晶が聖書の『神』・・・・・・【ヤハウェ】を誕生させました。

広くは【エホヴァ】の名で知られ、また、【ツァバト】・【シャダイ】・【エロヒム】などの別名を持つこの『父なる神』は、聖書の中で、世界を創造し、全ての天使を創った神であるというのは皆さんもよく知ってますよね。一番始めに創られた天使がルシファーとミカエルです。

ところで、ヤハウェは時に『YHVH(YHWH)』という4字で表される事があるのをご存知でしょうか?これは『Yahv(w)eh』の綴りを略したものなのですが、その理由が【神の真実の名を伏せる事で、呪いから守るため】とされています。

鋭い方ならこの説明に非常な違和感を覚えるはずです。完全無欠なる世界の全てであるはずのヤハウェにとって、呪いなど怖れるべきものではないはずです。ルシファーを始めとした天界の3分の1もの天使を失墜させ、他の神々を悪魔に貶め、それらの存在全ての恨みや憎しみを受け続けながらも泰然と君臨し続けている絶対的な『神』が、たかが呪いごときを怖れる必要がありますか?

実はわざわざ『YHVH』を使い、さらにその内容を隠すのには、絶対に知られたくない【秘密】があるからなのです。まさにその隠された秘密の中にこそ、ルシファーがヤハウェに謀叛を起こした最大の理由が秘められているのです。

次回はその真実に迫っていきます、お楽しみに。