無意識に、夢に向かって夢を見に眠った。

辺りは今みたいに不安の色を纏った非常灯の灯りしかない世界で、みんな静かに戦いの準備をしていた。

そこには自分が敬愛する仲間もいて、
言葉は交わさず互いを鼓舞していた。

自分の家族も戦おうとしている。

そこに無理やり戦わされているという意識を持った者もおらず、
暗闇から希望を抱いて各々の個性(武器)を持って今戦場に向かおうとしている。

夢の中の僕はリズムと超人的な脚力を持ち、またそれを自負していた。

そして皆が腰を上げ、歩き出した時、
僕は持ち前の脚力で暗闇の中、先陣をきる。

足元の地面を軽く爪先で叩き、次に足全体で地を踏みつけ徐々に助走をつけ、108段ある階段を一気に飛び降り地面までわずか三歩で着地して、すぐさま直進する。
闇に紛れて風をきる思いのままのスピードとリズム。
壁だって軽く蹴って登れる。

戦いに向かう今、高揚した気持ちと体を冷静な頭で見ている。
恐れなんてものはなく、ただこの力を存分に発揮できることを楽しんですらいる。

走ること。力を、命を全うすること。自分が自分であること。
そこに幸せがあった。

その戦いの先には何があるのかはわからない。
でも、この今が、全力で走れるこの今が重要なのだと思い知る。

今一度、生きる喜びを夢に教えられた。

現実には超人的な脚力とスピードはないけど、
全力で走ることはできる。
あの夢のように自分の全力を出すことはできる。

さぁ、走ろう。全力で。
昂る気持ちと体を冷静に見ながら。

ワクワクしながら走ろう。

僕が先陣をきる。