昨夜のフジテレビでの放送、涙が止まらなかった。

日航ジャンボ機墜落事故の遺体収容所となり、

遺体確認所ともなった藤岡市民体育館が紹介された。

あの夏の真っ盛りの陽射しの中、体育館の前で、

ご遺族を待っていたのを思い出した。

あの体育館には冷房施設が無かったので日航が、

駐機中のジャンボ機の機内に冷風を送る大きな機材を持ち込み、

体育館の2階の高窓からダクトを使い冷風を送り込んでいた。

入った冷風は館内を冷し、正面の出入口から出て来ていた。

そこに報道陣がたむろしていて、出て来る風に晒されていた。

その風に乗ってくるのは死臭……。

しかし、その臭いにも慣れて来ている自分が居た。

運び込まれる棺。

部分遺体らしく、どの棺も軽そうに運ばれて行った。

体育館に入っていく、ご遺族。

確認、対面を果して出て来る、ご遺族。

心情を察し、どなたにも声を掛けられずに、ただただ見守っていたっけ。

照りつける太陽の中、蝉の声だけがうるさかった。