元不登校:今度は英語の先生が苦手…。「〇〇すべき」は相手も自分も苦しめる | 不登校と中学受験ーこうして息子は学校に戻ったー

不登校と中学受験ーこうして息子は学校に戻ったー

小学校5年生のとき、不登校になった息子のヤサ男。
その後、紆余曲折を経て、中学受験、そして復学へ。
息子の本当の自立に向け、その後の歩みを綴ります。

中2の2学期が始まって1カ月が経ちました。

この1カ月で、4回欠席の2回遅刻です。

再登校1年目の去年は、トータルで月に1回も休んでいませんから、中2に入って、欠席や遅刻は増える傾向にあります。

 

休む時は朝、家を出るけれど、途中の駅でお腹が痛くなって戻ってくるというパターンです。

熱があるわけではなく、午後になれば元気になります。

 

どうも、原因は英語の先生のようです。。。

入学したばかりの頃は、声が大きい数学の先生が苦手という理由で数回休みました。

それが克服出来たと思ったら、中2の1学期になって、社会の先生が嫌いという理由で、何度か休んでいます。

社会の先生の話をしなくなったと思ったら、今度は、英語の先生・・・。

 

小学校の時とは違い、文句を言っているのはヤサ男だけです。

「授業中に嫌味を言うのが許せない!」「オレが休んだら、逃げたって言ったんだよ!」と憤慨しています。

それで、そんな先生の授業は受けたくない、といって英語が終わってから登校した日もありました。

 

小学校時代、先生が怖いと言えず、学校を休みたいとも言えないまま、発熱や下痢を繰り返して、不登校になったヤサ男。

昔はどんなことがあっても人の悪口を言わなかったのに、ブーブー言っているヤサ男を見ると、リラックスしているのがわかります。

 

人との相性にはいい悪いがあるのは当たり前ですし、家で文句を言う元気があるのは喜ばしいことだと思っています。

あの頃に比べれば、今の方がずっと子供らしく、健全です。

 

※小学校時代、ヤサ男が自己開示できずにいたのは、私の過干渉が原因でした。

  私が口を挟まず、とにかく聴くことに努めるようになったら、ヤサ男がネガティブなことも話し出しました。

 

ただ、先生が嫌いだからと、ずっと学校に行かないわけにはいきません。

ヤサ男だって、それはわかっています。

本当はヤサ男も、苦手な先生がいたって、学校に行ける自分になりたいのだと思います。

 

実際、「苦手な先生、対処法」などと、グーグルで調べて、熱心に見ていました。

朝から妙に張り切って学校に出発し、帰宅後に、「学校に行けたぞ~」と喜んでいる日もありました。

(英語の授業に出席できたのだと思います)

 

小学校の時も、「オレはこの先も、イヤなことから逃げ続けるんだろうか・・・」とつぶやいたことがありました。

彼なりに、たくさん葛藤しているんだと思います。

人よりもスローペースかもしれませんが、悩みながら、ぶつかりながら、成長していってほしいです。

 

 

ところで、学校を休んだ日はテレビやネットを禁止しているため、いつも読書をしています。

先週は、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を熱心に読んでいました。

 

私が読みたくて買ったものを、ヤサ男に貸してあげたものです。

ヤサ男は、本を読むのがかなり早くて、この本も「これ、僕に?ありがとう~」と嬉しそうに読み始めて、1時間くらいで読み終わっていました。

 

ベストセラーなのでご存知の方も多いと思いますが、この本の著者はイギリスのあまり裕福ではない層の人々が住むエリアに、アイルランド人のパートナーと中学生の息子さんと暮らす日本人の保育士(イギリスで保育士になった方)の女性です。

 

この息子さんが、差別や貧困がすぐ目の前にある環境の中で、様々な階層の同級生たちと時にはぶつかりながら、でもほとんどの場合は思いやりを注ぎながら、力強く成長していく様子を、気取りなく、淡々と綴る内容なのですが、これが本当に胸を打つのです。

 

けっして良い子とはいえないクラスメイトを「友だちだから」と助けようとする。どんなにキツくても、折れない。

 

何が正しい、何が正しくない、という正義はそこにはありません。

ただ、多様な背景や異なる常識を持つ人たちの中で、著者ファミリーが自分と相手、それぞれを尊重しながら、そして、できるだけみんながしあわせでいられるようにと願いながら、生活する様子が書かれています。

 

その本の中には、ヤサ男の知らない世界が広がっていたと思います。

「それ、本当の話なんだよ」というと、「知ってるよ。そう書いてあるから」というと、ヤサ男は読み終えた本をパタンと閉じて、特に感想は言わないまま、本棚にしまいました。

 

過剰な正義は人を傷つけるだけでなく、自分自身も苦しめます。

一つの物差しではなく、色々な視点から人を見られるようになっていけるといいね、と母は思います。

 

私自身も、ブレイディみかこ氏の我が子との距離感、人との向き合い方、見習いたいところばかりで、本当に良書でした。

地域の子供の貧困に対するアプローチの仕方も、同情ではなく、まさに助け合いという感じで、自分が「上から目線」で人と接してきたかもしれないと気づかされました。

ブレイディさんの他の本も、読んでみようと思います。


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