「超合筋」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　「ラストサムライ　片目のチャンピオン武田幸三」森沢明夫著　角川文庫

　いやぁ、参りました。一気に読み終わったときには、自然と背筋が伸びていました。ものすごく重たくて辛さが染み出してくる内容なのだが、不思議と暗い気分にはならない。それどころかすがすがしい気持ちになるのだ。それは、武田選手という男のたたいずまいがそうさせるのだと判った。周囲を気遣う心。感謝する心。不器用だけどひたすら真っ直ぐにわが道をゆくその姿は　本のタイトルにも在るとおり
「サムライ」そのものだ。

　２００８年１月２０日後楽園ホール。このときはカメラを持たずに観戦していたのだが、ジョンウエインパー　に壮絶なKO負け。、試合後の控え室で記者に囲まれる武田選手は　信じられないくらいすがすがしい顔をしていた。　勝つか負けるか。KOするかKOされるか。

　
　こんなすごい男と勝負してみたいと思った。いやいや、カメラを持って　相対したいということです。