かばん屋の相続 (文春文庫)/池井戸 潤



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感想 ★★★★★


池井戸 潤は、1,2を争う私の大好きな作者。


サラリーマンが主人公の小説を書く人。


彼の小説には、スーパーマンは登場しないし、そんなこと絶対ないという展開は登場しない。


世の中の起こりうるであろう想定内のことなんだけど、そサラリーマンが会社という世界のなかで苦しんだり悩んだり笑ったりしながら自らの努力や知恵で現状を葛藤する物語。


銀行ものが多いのだけど、会社員をしたことがある人ならだれでも一度は経験したことのある「くっそー」が必ず登場する。


私は、彼の書く別のシリーズが大好きで、そこがスタート。全部読みたいけど読んだら次に読むものが無くなっちゃうからもったいなくてチマチマ読もう、となんだか変な葛藤をしている。


この「かばん屋の相続」は、銀行員と客の話でまとめられている短編集。どれもドキドキしながら読んだ。銀行員って金貸しだけじゃないのね、と思ったり。出世するためにこんなひどいことするんだ、と悲しい気持ちになったり。


短編小説なのに心の中がジェットコースター。




もうすぐ私の一押しシリーズの新刊が出る。


それまでに前の作品を読み返そうと思う。