アメリカの青春ドラマなどでおなじみのアメリカ式のインターナショナルスクールでは先生方が一堂に会する職員室はありません。

 

先生方は一般的にご自分が受け持つホームルームの教室か各種ラボで待機しています。

 

学校の規模が大きくなると先生方も増えてきますので各フロア毎に先生の待機ルームを設置している学校もあります。

生徒達は授業毎に授業がある各教室に移動しながら一日を過ごします。

 

そこで問題になるのが生徒たちの教室移動の際に指定された自分のロッカーに荷物を入れるのが面倒くさくロッカー前などに荷物を放置することです。

時には足の踏み場もないほど荷物が散乱していることもあり当然に紛失物が増えてしまいます。

 

先生方は教えるのが仕事であってそれ以上でもそれ以下でもない場合がほとんどです。

仲の良い先生のホームルームやラボで休み時間を過ごす生徒もいますが先生と生徒の関係は私生活にまで踏み込むことはありません。

 

中学(ミドルスクール)以上になっても日本のような部活動はありません。

全くないわけではありませんがサッカーとかバスケットの部活がある場合でもトライアウトが必用なため入りたくとも入れない生徒も多く存在します。

先生方は終業時間となればさっさと帰ってしまいます。

 

では、生徒は色々な相談を誰にするのか?

それは校長又はカウンセラーに直接相談を持ち掛ける必要があります。

日本のように担任の先生に学校の問題を相談しても担任の先生にはいろいろな問題に対しての決定権は有りませんので何も解決しません。

 

生徒は保護者の皆さんに問題を相談し保護者の皆さんが問題となる先生を飛び越えて一般的には校長に問題を持ち込み相談することとなります。

また学業に関してはカウンセラーの先生に問題を持ち込み学校側の反応や決定を待つことになります。

 

私はカウンセラーを努めていましたので校長と毎日のように膝詰め談判を行っていました。

カウンセラーは入学や卒業に関してある程度の決定権をゆだねられていました。

そのため成績が悪く卒業できない生徒を卒業させるための条件を生徒、保護者と校長に提示し交渉を行ったりと日本では考えられないカウンセラー業務も行っていました。

 

卒業時にはその国の高校課程の卒業証書とWASCに代表される国際的な評価団体発行の卒業証書が手交されます。

 

 

 

日本で一般的にアメリカンスクールと称されるインターナショナルスクールではそのような学校運営が行われています。

 

しかし大変なのは日本でもその学費で一時期話題となったハローインターナショナルスクールのような厳しい英国式インターナショナルスクールです。

英国式の高校では日本の高校で手交される卒業証書はありません。

英国では既定のA-Levelを取得することで大学入学許可となります。そのA-Levelの完全取得は結構大変なことで日本の高校3年生に相当する新学年の始業式に学校に出向いたら「退学命令」を渡された生徒を何人も見てきました。

 

その場合は、勉強が楽な他のインターナショナルスクールに編入することになりますが受け付けてもらえないこともあります。

 

海外にある英国式の高校でも学業が厳しい理由は英国にある大学は2校の大学を除きその他全ての大学が国立大学であり学業レベルが保障されているためです。

 

そのため海外にある英国式高校ではアメリカ式のカリキュラムの履修に読み替えて日本やアメリカと同じように卒業(証書)資格を授与することで生徒が各国に戻った後に不利にならないような措置をとる高校も増えています。