ベッドサイドの電灯の隣には
常に本が4冊くらい積まれているのですが、
寝る際にうつぶせで読んでも
3ページも進まぬうちに
眠気に勝てなくなるの毎晩です。
今積まれているのは
・西洋建築様式史(美術出版社)
・Mr. Vertigo (P. Auster)
・世界の住まいにみる工匠たちのわざと知恵(太田邦夫)
・Civilization - The West and the Rest (N. Ferguson)
の4冊。
この山から最近ようやく読破されたのが“リヴァイアサン”。
ここ数年一番好きな作家ポール・オースターの小説。
主人公の一人称で
ベンジャミン・サックスという人間の
主人公の親友の人生を見るという内容。
オースターの作品としては
かなり登場人物の数が多くて、
やや読みにく部分もなくはなかった。
で、
もちろん本のとらえ方は人それぞれですが、
僕にとってはこの本は
「人間みな他人同士なんやから
誰かの事を理解できるだなんて思わない方がいいよ」
と、一見大変ネガティブなメッセージを発していて。
とにかく
「この人にはこういう過去があり
今こういう態度でこういう事を言っているから
こういうことを考えてるにちがいない」
って、
人間誰しも他人を分かろうとするその行為について、
そんな事しても真実なんて知れないんだぜと
語りかけてきます。
話の内容は結構悲劇的なものなのに
淡々とした語り口のお陰で悲壮感は漂わないし、
他者への理解の不完全性があるからこそ
人生が彩を持つ瞬間があるんだってことを
逆説的に言っているようでもあり、
何とも不思議な読後感。
自分の中の自分、
自分の恋人の中の自分、
自分の親友の中の自分、
自分の家族の中の自分、
同じ人間が全部違う形で存在しているし、
自分が自分の中に映す他人の存在なんて
驚くべき程不確かな物なのですよね。実際。
それでも大事な人は大事やし、
大事である理由も理屈を超えた部分にあるし、
それが日々の暮らしを豊かにするものであるのも事実。
小説は他人を映す自分自身を
信じることができなくなった頭でっかちの人が、
そのせいで狂気じみた行動を取った末
自業自得の事故死をするわけですが、
そうは至らせないようにする力は
果たして自分の内部から働くのか、外部から働くのか。
多分そのどっちでもなくて、
人間のつながりの中にある
言葉にできない何かがその力なのだと
そんな解釈です。
最近読んだ別の本“When God was a Rabbit”と非常に好対照。
(→ こちらその感想分 )
どちらもそのうちまた読み直さねばです。
常に本が4冊くらい積まれているのですが、
寝る際にうつぶせで読んでも
3ページも進まぬうちに
眠気に勝てなくなるの毎晩です。
今積まれているのは
・西洋建築様式史(美術出版社)
・Mr. Vertigo (P. Auster)
・世界の住まいにみる工匠たちのわざと知恵(太田邦夫)
・Civilization - The West and the Rest (N. Ferguson)
の4冊。
この山から最近ようやく読破されたのが“リヴァイアサン”。
ここ数年一番好きな作家ポール・オースターの小説。
主人公の一人称で
ベンジャミン・サックスという人間の
主人公の親友の人生を見るという内容。
オースターの作品としては
かなり登場人物の数が多くて、
やや読みにく部分もなくはなかった。
で、
もちろん本のとらえ方は人それぞれですが、
僕にとってはこの本は
「人間みな他人同士なんやから
誰かの事を理解できるだなんて思わない方がいいよ」
と、一見大変ネガティブなメッセージを発していて。
とにかく
「この人にはこういう過去があり
今こういう態度でこういう事を言っているから
こういうことを考えてるにちがいない」
って、
人間誰しも他人を分かろうとするその行為について、
そんな事しても真実なんて知れないんだぜと
語りかけてきます。
話の内容は結構悲劇的なものなのに
淡々とした語り口のお陰で悲壮感は漂わないし、
他者への理解の不完全性があるからこそ
人生が彩を持つ瞬間があるんだってことを
逆説的に言っているようでもあり、
何とも不思議な読後感。
自分の中の自分、
自分の恋人の中の自分、
自分の親友の中の自分、
自分の家族の中の自分、
同じ人間が全部違う形で存在しているし、
自分が自分の中に映す他人の存在なんて
驚くべき程不確かな物なのですよね。実際。
それでも大事な人は大事やし、
大事である理由も理屈を超えた部分にあるし、
それが日々の暮らしを豊かにするものであるのも事実。
小説は他人を映す自分自身を
信じることができなくなった頭でっかちの人が、
そのせいで狂気じみた行動を取った末
自業自得の事故死をするわけですが、
そうは至らせないようにする力は
果たして自分の内部から働くのか、外部から働くのか。
多分そのどっちでもなくて、
人間のつながりの中にある
言葉にできない何かがその力なのだと
そんな解釈です。
最近読んだ別の本“When God was a Rabbit”と非常に好対照。
(→ こちらその感想分 )
どちらもそのうちまた読み直さねばです。
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