家具がある程度整ってからというもの、
なんだかお客さんがしょっちゅう来る我が家です。
それも事前に色々準備するでもなく、
その日のspontaneityにまかせる感じで。
ほんとなら事前にいろいろスケジュールとか調整して
急な声かけでは予定のつきにくい皆さんも呼ばれればなんですが、
最近ちょっと近視眼的なスケジューリングしかできなくて、
申し訳なく残念な気持ちもしつつ。
でね、
お客達は美味しい食事と楽しい会話のために来るのですが、
と自分でさらっと書くのもどうかと思いますが
それに加え一部の人たちはうちから
DVDを借りていくのを楽しみに来ていたり笑
特にジブリ作品の。
しばらく前にポニョを観たのもあって
興味を持った人たちがね。
その時の話→ 去年の10月。時間が経つのは早い。。
で、この流れでこないだ『紅の豚』のを観た某R氏。
感想を聞いてみたら
「いまいち真剣さがないし、
いろいろ茶化しすぎで、リアリティがなくて、
正直あんまり気に入らなかったね。」
とのこと。
あ、そう、とやや驚いた僕。
「でもこれ見てある映画を思い出したよ。」
というので、
今度はこちらが勧められてその映画を観賞。
1981年のドイツ映画“DAS BOOT”でした。
さすがドイツ人のお勧めですな笑
いざ観てみたらば、
第2次大戦のドイツ海軍の潜水艦の話。
狭い艦内、
高人口密度、
質素な食事、
敵艦攻撃のミッション、
逆に狙撃される恐怖、
等々がぎゅーっと高密度に画面に詰まった
とんでもなく息苦しい映画でした。
もう30年前の映画なのに、
古さを全く感じない。
下手な特殊効果は使わず、
徹底的にリアリティを追及していてね。
ちょっとこんなクオリティの映画はそうそうないです。
観ていて息苦しさを感じたのは、
とにかく生への執着と死への恐怖の葛藤。
戦争状態やから、
自分たちの使命が結果的に人の命を奪うのは必然。
でも使命を果たす目的は人殺しにはなく、
あくまでも
イギリスの船を出来るだけたくさん沈めること。
相手軍の人たちの気持ちをおもんぱかるような心のスペースはない。
それでも自分は生きたい、死にたくない。
それでも自分は愛する人のもとに帰りたい。
自分たちが狙撃した船で炎に飲まれる人を観て、
戦争心理のもっと下にあるヒューマニティが動いても、
それを肯定することができない。
そんな異常な心理状態のなか、
絶体絶命のピンチと極限越えのストレスを
知恵を絞り力を合わせてくぐり抜けた船員達は
ある意味とても格好良く映ってしまいがちなのです。
でも、それが正義とされることは決してあってはならない。
如何に彼らが勇敢で、“賞賛されるべき”経験をしたとしても、
戦争がどう間違っても肯定されてはならない、
と、そんな重大な意味を持たせるための結末を最後に迎え、
非常にやるせないふがいない気持ちとともに観賞を終えました。
全編暗いし、3時間半もある長さ(複数版あるようですが)で、
精神的ダメージをしっかり目にくらい笑、
これを観終えた日曜深夜以降、
あんまり良く眠れていなかったり。
でも、
とにかくものすごい映画であることは事実です。
大変おすすめ。
映画好きの方はもう気付いてられるかと思いますが
傑作と名高いあの映画です。
邦題は“U・ボート”。
っていうか、これを“紅の豚”から連想するとは、
某R氏の発想も計り知れない笑
「観て良かった。お勧めありがとう。
でもこの二つの映画はなかなかつながらんよ笑」
と感想を返したのでした。
ちなみに“紅の豚”の感想はこんな具合。
やっぱ、こんな感想を持つ僕の中では
この二つは結びつかんわいね。。
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