なんか時系列が完全に崩壊していてごめんなさい。
ブログのネタって、
そもそも大して書きたくない内容、
その日のうちに書かないと忘れてしまう内容、
忘れはしないけど翌日には書く気が薄くなってしまう内容、
しばらく時間がたった後でも記録として残しておきたい内容、
急に思い出してうっかり書いてしまう内容、
等々時間軸を基準にしての整理がなかなか難しいのです。
はい、言い訳です。
という訳で、今後時間軸が狂ってる記事は
ちゃんと日時も併せて書くことにします。
という訳でオランダで過ごした1週間の話の続きを。
これまでの歩みはその1 、その2 、その3 をご参照くださいませ。
6月26日(土)
サマースクールの最終日。
学会が午前一杯で終わって午後からは解放されるという予定の一日でした。
が、想定していなかったスカイプミーティングが入って、
デルフト工科大学のワイヤレスネットワーク使って
オランダ、スイス、日本を跨いで3時間近くの打ち合わせ。
という訳で学会最終日は出席できず。。。
スカイピング中に今回のサマースクールの幹事の人が、
苦笑いしながら受講証明を渡してくれました笑
何とか打ち合わせを終え、
急いでランチを搔き込み、
1週間一緒だったメンバーと別れの挨拶をして、
ホテルに戻ってチェックアウトして、
すっかり気分もすっきり。
ここで勉強モード終了、週末モード全開!!
「モード反転。裏コード、ザ・週末!」
と唱えて、勉強する理性をスポッと忘れたといったところ。(分からない方ごめんなさい)
せっかくオランダまで来て勉強だけして帰るのももったいないから、
土曜から月曜の二泊、アムステルダムにホテルを取ってたんですよ。実は。
この日はデルフトを離れアムステルダムに向かう前に、
途中乗り換え駅でもあるDen Haag(ハーグ)で寄り道をしました。
Mauritshuis(マウリッツハイス)美術館へ寄るため。
この美術館にはJohannes Vermeer(ヨハンネス・フェルメール)のコレクションの
常設展示があるから!!
さて、もちろんこの美術館のハイライトはフェルメールの作品5点で、
その中でも「真珠の耳飾りの少女」が一番の目玉。
でもその他のコレクションも
オランダの黄金時代(17-18世紀位)を象徴するように
圧倒的に質が高くかなり圧倒されました。
絵画の様式化が著しく発展したその様を
まざまざと見せつけられた感じで、
西洋絵画史に興味のある人には、面白くてたまらない場所かと。
そして、「真珠の耳飾りの少女」。
特別扱いの展示がされてるかと思いきや、
他の作品とほとんど変わらない扱いで、
普通に何気なく展示されてました。
しかし、その画の発するエネルギーは別格。
精密とラフの絶妙な狭間を行き来する筆致が
ミステリアスなモデルの少女が顔の角度を変え、
微妙に表情を変化させている瞬間を
驚くほど鮮やかに切り取って。
例えば一般的な絵画で画中の人物の顔の角度とか、
静物の位置がほんの微妙に違っていても
絵画の本質が変わるということはないと思うのです。
(もちろん造形としては異なるし、インプレッションの違いも生むけども)
でも、この絵画については、ほんのちょっと表情が違うだけで、
ほんのちょっと顔の向きが違うだけで、
根本から全く違った絵画になってしまうという印象。
「瞬間」が絵画の形で保存され、永遠の時間を得るといったプロセスが、
なんかもう自分の命もちっぽけに思えるほどの
形あるものの時間を超えた真実を語っているというか、
絵と対面して軽い眩暈を覚えるほどのパワーを感じたのでした。
これも何カ月もかけて完成させるその時間感覚の乖離もまた眩暈の原因。
今までたくさん絵画を見てきましたが、
こんなパワーのある絵は他に記憶するうちでは数える程度です。
これはわざわざ寄り道した甲斐があった。
そしてオランダまで来てよかった。本当に。
その他うっかり気持ちをとらえられたのは
Rembrandt van Rijn(レンブラント・ファン・レイン)の
「テュルプ博士の解剖学講義」と、
ひたすら画中画系の絵画を網羅した部屋。
規模は比較的小さいですが、
小粒ながら良質な美術館です。
もしオランダへ行くチャンスがあれば立ち寄ることをお勧めしますよ。
この日、この後は
素晴らしい絵と向き合った時間の余韻を楽しみながら街をぶらぶらして、
改めてアムステルダムへ向かったのでした。
最後おまけにハーグの街の様子を。
古い街(広場と低層の建物)の向こうに広がる異常な現代的風景↓
とってもオランダ的な光景です。
スイスなんかとは異質な中世の色の残る風景。