さて、
ちょっとした自分へのプレゼントにと、
チューリッヒ市内の日本食品雑貨店にて購入した、
ツムラの「日本の名湯-湯布院」入りの風呂にゆーっくり浸かって、
火照った体の冷めない夜です。
温泉効果は侮れません。
さて、実は今日はEmpaにてPhDの研究にいそしむ学生達の
研究発表会がありました。
学術的な情報交換はもちろんのこと、
実は教育的目的が一番の要素で、
100人近くの参加者の7割ほどがポスター、
残りが口頭発表をして、
それをEmpaに努めるエキスパート(シニアサイエンティスト)達が
評価して回るっていうイベントです。
もちろん僕もポスターの発表で参加した訳です。
何より新鮮だったのが、
各学生の発表を、
「ダメなとこはダメ、いいところはしっかり褒める」
というスタイルの講評をもらえるところで、
純粋に発表スキルのブラッシュアップをする教育的な雰囲気だった部分。
今まで、自分のいるコミュニティ外での発表の経験は
ポスターなり口頭なりそれなりにあるわけですが、
発表内容のご指導はたくさん頂いたのですが、
そもそものメソッド自体の指導を受けたことは実はなかった気がするのです。
見よう見まねで「ふむ、こうするのか。なるほど」と周囲の人の技を盗むという、
日本の徒弟制度に通じる技術取得を実践してたわけですね。
今回のシンポジウムでは、
事前に発表者に送信された「アカデミックポスターの描き方指南」とか、
発表会での講評とか、
ありそうでない経験をできて、非常に満足。
特に「描き方指南」の冒頭の一節
“(前略) Your poster must look as professional as your research itself.”
(直訳)「あなたのポスターは、あなたの研究それ自身と同じくプロフェッショナルに見えなければなりません」
が非常に気に入りました。
さて、肝心の発表のほうですが、
内容は4月にプロジェクトに参加して以来
Empaにてやってきた実験と数値解析の総括といった内容。
とはいっても紙面の限られたポスターの中で、
効率的かつ効果的に情報をレイアウトするのは、やはりいつになっても難しいもの。
結局原稿がゼロの状態から完成まで1週間もかかってしまいました。
科学的な思考と、見た目を綺麗にするための文科的思考を同時に進行させ、
ずーっとパソコンと向き合うのは実はなかなか大変で、後半は頭痛を発症。
そんなポスターでEmpaの重鎮から指摘された要改善ポイントは
どれもが、1週間かけた準備期間の中でも編集に十分時間を割てなくて、
心の隅で「んー会心の出来とは言えんなぁ。。。」と、
気がかりに思ってたポイント。
逆に褒められ過ぎて恥ずかしくなったのは、
これでもかとじっくり時間をかけた部分。
いつも思うのですが、プロの目線はやはりプロの目線。
研究のプロは研究のプロとしての職能がやはりあるのだと、改めて実感。
しかし、まったく見落としてた部分でお叱りを受けるなら、
「おー、気付かなかったぜ。今後気をつけるとも。」
となるのですが、
気付いていながら手をつけきらなかった部分を指摘されると、
どうしても自分に対してのもやもやがずっしり残ります。
いや、気付いていながらも放置してしまう癖は
ずーっと治らないでいるのです。
さすがにプロフェッショナルの世界に足を踏み入れようとしている時に、
そんな自分の悪習に足をすくわれるなんて、
情けなくてしょうがないので、
対外的に成果を出す時にはもやもやを一切残さないと、
かたく決心をしたのでした。
当たり前のことだけども、大きな収穫。
さしあたり次のタスクはは投稿論文の執筆。
明日から早速本格準備に取り掛かります。