朝起きてから、出かけるまでの間、テレビでニュースをつけてます。


この何ヶ月かはずっとZDF(第2ドイツテレビ、ドイツの公共放送ですね)の

Morgen Magazinで固定してます。


なぜスイスでドイツのニュースをわざわざ見るのか。

理由は単純で、SF(スイステレビ、スイスの公共放送ですよ)は

聞いても分らないことがほとんどなので。。。


というのもニュースはスイスドイツ語の音声のみで、

あとは天気予報か、スイス各地(主に山)の固定カメラの

中継映像がひたすら流れるというものなので。


しかし、山中継はこれはこれで魅力的なんですよ。

数え切れないほどの中継所があって、

スイスの地図を思い浮かべながら

「おーここはこんな天気なのか」とか、

「日の出時間って結構差があるんやね」とか、

そういう、マニアックな楽しみ方ができるので。


ちなみにお気に入りの中継地点は

Gornergradの展望台です。

チューリッヒの自宅にて雄大な氷河を見られます。



随分脱線してますが、

今朝のMorgen Magazinの小特集は「死・埋葬」について。


朝からそんなことを特集してしまえるドイツ人は

やはり謎の多い人たちなのですが、

そのレポートの中でこれはどうなのと思った箇所が。


元来カトリックでは火葬は禁止されていたらしいのですが、

最近は人口の半分がカトリックのドイツでも

結構火葬が広がってきてるという話題。


(多分)空の棺おけを燃す一連の作業を生中継と、

朝7時台としては結構どんよりした気分になる映像もさることながら、

燃してる最中のインタビューの話題が興味深いものでした。


僕の聞き取りが正しければ

「他のご遺体と灰が混ざってしまうことはない?」(→「絶対ないですよ!」)と、

「骨壺はどういうラインナップですか?」という質問。


そこの火葬場で提供している骨壺は

ごく普通の物と高級なものに加え、

見た目は普通のものとほとんど同じだが、

「オーガニック素材のみで出来ていて、100%エコフレンドリーな」ものの3種。


いや、環境意識の非常に高いお国柄のドイツですが、

人生を終えた後の身のおき方にまで、

「エコ」の鉄壁で守られた市場経済原理の強く働いた商品が存在するのが衝撃。


いや、どう考えても、この特集の中で

「エコ骨壺」は目玉的な話題だったわけですが、

それを見て

「では私もぜひエコ骨壺を選びたいものですな」

と感じる人もいたのでしょうかね?



と、こう書きながら思ったんですが、

火葬って結局燃すためのエネルギーの供給源次第では

結局サステナブルなご遺体処理法にはなりえないのではないのでしょうか。


大きなサイクルで見たら、単純な土葬がやはり一番エコフレンドリーかと。ね。


土葬が一般的だった地域で生まれたかなり変わった製品に、

現代の「エコ礼讃」のちょっとした歪を垣間見た朝でした。




と、ZDFと同様に

このような話題をわざと明け透けと書いてみたのですが、

もし気分を害された方がいらしたら申し訳ありません。


しかし「エコ骨壺」って日本語の語呂の悪さが著しいですね。

ためしに声に出して読んでみてください。