昨日は買ったは良いけど放置してしまってた本の話を書きましたが、

CDでも同じようなことがおきがちです。

身に覚えのある方もたくさんいらっしゃるかと。


で、今はセラフィン版のプッチーニ(またも)の『ラ・ボエーム』を

今度こそ真面目に聴いてみようではないかとかけたものの、

やはり音楽に没頭できないのです。

何度もトライしてるけどどうしても駄目なのです。


プッチーニの初期の作品って結構残念な仕上がりのものもあって、

でも後期の作品は奇跡的なくらいの上質な音楽に発展してて、

ラ・ボエームあたりはその中間の中途半端な雰囲気で。


他にも何枚か腰を落ち付けて聴くことのできてないCDがたまってます。

でもこういう半分死蔵されてるのが急に眼について、ピンと来て、

聴いてみたら大正解!ってパターンは結構あるのです。

多分昔の僕が未来の自分が陥るであろう精神的不調を予測して、

買っているのだろうと。

いや、結構真面目にそう思ってるんですよ。




さて、忘れかけた頃に北ドイツの旅行記を再開しますよ。


9月19日


この日は朝一番にハノーファー駅を出て、

まさかの再びのベルリンへ。

いや、こうなることは何となく見越していたんですけどね。


ベルリン中央駅を出て、

さてどこを廻ろうかとなると、

もはやベルリンの町の具合がかなり頭に入ってしまってたもので、

もしかしたら自分は通訳兼ガイドの業者なのかもしれないと思ってしまうほど、

モデルルートの提案、その後の道案内、街の解説を立派にこなしてしまった。


丁度のこの日はベルリンマラソンの日でした。

首相官邸、議事堂をかすめ
ゴール地点になってたブランデンブルグ門をくぐり(写真はここ にありますよ)、

ホロコースト記念碑でしばし佇み、

ウンター・デン・リンデン通りをゆっくりと散歩という午前中。

ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !

こちら首相官邸。メルケル首相が住んでます。って言うかこんなに近づいていいの?ってくらい近づけます。


美術館を訪ねる予定が、

Yorkさんの見せたがっていた作品(ネフェルティティの胸像です)が

美術館の改装等の事情に巻き込まれ展示されておらず、

結局美術館に入りもせず、

フリーマーケットを冷やかしたり、

周辺をさらにゆっくりと散歩。


実はYorkさんはベルリンに来るたびにその像を見ようとトライするそうですが、

これまで6回チャレンジして6回アウトだそうで。

そこまで来るとまた別の意味で運命的なものを感じますね。

ちなみにこのネフェルティティの像はベルリンで一番の美人と形容されてます。

ベルリン自体に縁もゆかりも多分ないエジプトの美術品ですが。。。



午後は簡単な昼食の後、

ベルリン大聖堂でしばし座りこんだのち、

市電のダイヤが乱れすぎてわけのわからない中、ベルリンの壁の保存されているエリアへ。


イーストサイドギャラリーと呼ばれるエリアで、

今も若いアーティストが1キロちょっと連続して残されている壁に絵を描いています。


ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !

壁自体は超短工期で作られたものなので、

とりわけ重厚だとか重々しいだとかそういう印象はないんですが、

もちろん手がかりのないつるっとした壁面とか、

壁の上に立てなくさせる天端の丸みとか、

壁に求められた機能をストレートに表現している形で、

無機質ゆえの息苦しさがやはりあります。


実は今日11月9日は壁崩壊からちょうど20年の記念日なのです。

偶然この記事と日がかぶりました。(ここまでわざとひっぱったわけではないですよ!)


テレビではその記念式典の中継をやってたんですが、

当時の民衆のエネルギーに共感して現代を生きる自分まで感動する感覚って、

実は現代のアイデンティティー云々の問題に根強く関わってる気がしたのでした。


個性を大事にとか、そういう類の議論って、

みんな人間なんだし根っこは一緒なんだよって前提があるから成立するものであって、

ややもすると、「人それぞれ」をはきちがえて、

「自分という存在は100%特別・唯一無二な存在です」

と解釈しがちな風潮に対しては、僕自身は大いに疑問を持っているのです。


でも、もともと人との交流が得意ではない自分の性格もあってか、

人と繋がることに極端に憶病な部分もあるのも事実。

多分その理由は、「自分のどの部分が人と同じで、どの部分が人と違うか」

を、知るのを怖がっているせい。


そんな閉じぎみの気持ちでいると、

たとえば「自由を愛する気持ちを持っていれば、世界中誰もがベルリン市民なんだー!」

って言うような、結束を快感に昇華するようなエネルギーが、

結局ベルリンの壁崩壊の象徴するものなのだと感じるわけです。


記念式典で各国の代表が喋ってるのを聞いて、

そんなことを思って、感動でも悲しみでもない熱い気持ちになった秋の夜の旅行記?でした。




ドイツの旅行記はたぶん次回1回でようやく終わるかと。

他にも書きたいネタはまだまだ溜まってるんですが。。。。


ちなみにチューリッヒはすでに真冬の東京の寒さです。

新居のラジエータが真冬に十分機能を発揮するか、大いに不安になってます笑