今日は週末らしくしっかり目に寝坊して、
午後にチューリッヒ市内へ。
アスコーナに住むタティアナからの紹介で、
最近ベリンツォーナからチューリッヒへ引っ越してこられた
たきざわさん一家とお茶をしてきました。
ご主人がベリンツォーナの研究所からETHへ職場を変えられたそうで。
とても感じのいい方たちで、まだ9か月の赤ちゃんに癒され、
またもや素敵な出会いに感謝です。
夕方に帰宅してからは、いよいよ引っ越し開始。
本当なら友達に車を出してもらう予定だったんですが、
ちょっと連絡行き違ってしまったのと、なんとなくの勢いで、
全部手持ちで運ぶことにしました!
今日は一番目玉の本をあらかた運んでしまったので、
明日はかさばるけど軽いものがほとんど。
しかし寝坊できないな。。。
さて、ずるずるさせているパリの旅行記を今回で終わらせますよ。
3日目、最終日。
ホテルのチェックアウトを済ませ、
ホテルのすぐ近くにあるSt. Sevrin教会へ。
日曜のミサの始まる直前にお邪魔させてもらいました。
教会の小僧さんや、信心深い地元の人々に交じって
朝日の差し込むステンドグラスを見上げます↓
あまりに美しくて、しばし立ちすくむ。
教会を後にして、カルティエ財団美術館へ向かったのですが、
いろんな小さなごたごたが重なって、うっかり電車を間違え、
結局間違いに気づいた瞬間にオランジュリー美術館へ行先変更。
前回パリに来た時にはこの美術館は長い改装期間中で、
今回が全くの初めて。
目玉のモネの「睡蓮の間」は、
もともとモネの絵にはあまり共鳴しない体質な上、
平面なのか曲面なのか、妙な錯覚を起こす壁にぐるりと囲まれたせいで、
軽い吐き気を感じてしまって、早々に退散。
そのかわり、地下のコレクションは存分に楽しみました。
中でもモディリアニのとある肖像画に吸い寄せられて、
しばらくそこから離れられなくなってしまいました。
言葉にはできないんですが、
一言にデフォルメとはいっても、その方法論はすごく多様で、
観る側はもちろん、描き手にも明文化できないのではないかと思えるような
造形の原理がその裏側にはあって、
それが絵画という具体的な目に見える形になった時に、
時として言葉を超えるコミュニケーションを可能にするといった感じかな。
それって結局観る側の感性が大きくかかわる部分で、
モネに山のように人がたかって、
モディリアニはスルーされていたのですが、
この日の僕はどうやら少しばかり世間とはずれ気味の感覚になっていたのかも。
オランジジュリー美術館を後にして、
テュイルリー公園を横断し、パリ最後の目的地ルーブル美術館へ。
どこまで続いてるかわからない長蛇の列の最後尾をようやく見つけ、
下手したら入館までに1時間以上は待たなきゃかもとも思ったのですが、
何のことはない、10分程度であっという間に入館。
あまりに巨大な美術館なので
目的を明確に絞って効率よく動くことに。
で、今回の作戦は、
・彫刻類は時間を惜しまず楽しむ
・欧州の絵画はアンテナ全開にしながらもサクッと通過。
・折角やから目玉展示は見逃さない。
とうことに。
結果的に、
彫刻はあんまりぴんと来ず、
絵画は最初の部屋に入り、ぐるっと見回した瞬間に、
質の高さに圧倒され、これは時間をかけると3日はかかると判断し、
それでもできる限り効率よくサクサク観覧した感じに。
ここでもオルセー美術館と同様、アングルの作品に気をひかれたのでした。
とくに「グラン・オダリスク」は道に迷ったついでに何度も立ち止まってじっくり鑑賞。大満足。
それから、うれしい発見は道に迷ったおかげで見れた古代オリエントの展示。
今まで全く触れたことのない造形のボキャブラリーに溢れていて、衝撃を受けました。
実はオフィシャルのパンフレットに目玉として載ってる作品のいくつかが国外の展覧会に貸し出されていて、
その半分くらいは貸出先が日本だとか。
特にフェルメールの「レースを編む女」と、
ジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールの「いかさま師」はぜひとも観たかったのですが。。。。
日本ではきっと大混雑なんでしょうね。。。
とにかく体力勝負の美術館で、へとへとになりながら、
なんとか帰りの電車に間に合って、無事(いや、途中電車のトラブルはあったけど)
チューリッヒに帰りついたのでした。
もう3週間近く前のことですが。。。
これにてパリ旅行記終了。