今回のゼミ旅行を挟んで、

劇的に仕事環境が変化した週明けを過ごしています。

いや、書き出したら長くなるし、

まだまだ整理がついてないから、

これについてはまたそのうち書きます。

ちなみにポジティブな変化なのでご心配なく。


さて、

シチリア旅行記の続きです。


今回は建物探訪編ということで、

島の中をぐるっと観光して回ったうちの

印象的だったもろもろをご紹介。



欧州の旅行ではやはりキリスト教会が観光名所になりやすいですが、

シチリアも多聞にもれず、教会のオンパレードでした。


でも、シチリアの教会の面白い点は、

前の記事でも書いたとおり、

様々な文化の折衷的な様式となっているところ。

いや、様式と呼べる程、確固とした哲学があるかはかなり怪しいですが。


その特徴は、

古代ギリシャの要素、

キリスト教の要素、

イスラム教の要素が、

文字通り混合されたものなのです。


まずは、とある大きな教会の外観↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !

プランの構成は、ごく一般的なゴシックの十字形を踏襲してます。

で、十字の交点にクーポラ(写真左上)。

メインエントランスは十字の側面、この写真で言うと左下にぎりぎり見切れているあたり。

その面の面して大きな広場が設置されていて(この写真を撮ったポイントね)

明らかに、建物の正面を決定しようとしています。

でも、もちろんクーポラの位置はファサードの中心軸に乗らないので、

あからさまに左右非対称な様子になっています。

しかも、外構の異常に細かい衣装はイスラム色をむんむんに漂わせるうえ、

鐘楼とは別に、ミナレット(写真真ん中やや右の塔)が、4本建物を囲んでいました。


もはや教会というよりなんか要塞とか、城とか、そういうイメージでしたね。


続いては別の教会のモザイク画↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
これはとある宮殿の内部に設置されてる礼拝堂に面した回廊です。


シチリア島各地に点在していたギリシャ神殿から持ってきた柱で、

いかにもローマ風のアーチを支え、

十字軍の遠征の様子のモザイク画がド派手に描かれています。


で、礼拝堂の内部↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
祭壇上のドームのモザイク画です。

とにかく、シチリアはどれもこれも金キラで、目がちかちかします。

モチーフはもちろんキリスト教のいろんな逸話。


でもその祭壇の下はこんな様子↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !
こちらはイスラム様式のモザイクの装飾。


つまり何が言いたいかって、

何でもありのごちゃまぜ様式がシチリア風なのかね、ってこと。


実際民衆を懐柔・支配する上での、

いろんな妥協や計画がこういうごちゃまぜ風を生んだのかもしれませんが、

さすがに、偶像崇拝の有無で決定的に装飾の原理がことなる二つの様式が、

堂々と共存している様子は、

感動とかじゃなくて、「???」と、ふに落ちない感覚しか生みませんでした笑


ちなみに、この礼拝堂だけじゃなくて、

シチリアの古い教会はみんなそうでした。(見たものは少なくとも)

比較的新しい(バロック期以降)教会はどちらかというと純粋なキリスト教の様式だったような気がします。


しかもどれもこてこての装飾で、

6つほど教会を見たのですが、

同行の皆さん、最後は完全に食傷モードでした。

僕も3件目あたりからめまいがして、なかなか辛かったですね笑


Holgerに

「調子はどう?面白い?」

と聞かれ、

「どれも派手すぎで、気持ち悪いっす!」

と答えたら、

「うん、僕も!」と笑



でも、見たのは胃もたれ系のキリスト教会だけじゃなくって、

生まれて初めて、本物のギリシャ神殿を見ました↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !


ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !


それから、ギリシャ時代の円形劇場↓
ごとうゆたかのNoch einen schritt weiter !

この日は、教会みまっくた次の日で、

正直すっかり感覚がマヒしていたので、

あんまり強い印象は残ってないんですが。。。


でもどちらも、

あくまでもヒューマンスケールに収まったスケール感でした。

もちろん、大規模なものを作れるのかっていう技術的な問題もありますが、

それより、手を伸ばしたら空間をつかめるんじゃないかっていう、

心地よい、支配・被支配感覚があって、

新しい空間体験をしました。



な、ところでずいぶん長く書いちゃったので、建物探訪編はこの辺で。


さて、明日も仕事がんばるべし。