どうも。
今日夜にあった会食で、イラン人の人から
「はじめまして。あなたハンサムですね。」
と言われて調子に乗ってるごとうゆたかです。
そんなこと言われるなんて
想像もしないからかなり面喰いましたよ笑
閑話休題。
今日は朝からETHで仕事をして、
午後過ぎからチューリッヒ近郊へ建築見学ツアーに出ました。
参加者はETHでの僕のボスのHolgerさん(Assistant Professor)の
講義に参加している学生さんたちと、
Holgerさんについてる学生の希望者。
Sustainabile Constructionと研究室が名前を冠している通り、
今日見た物件は超省エネルギー建築2棟でした。
写真をばんばか載せたいところですが、
デジカメ忘れるというまさかの失態を犯したので、
写真なしです。
ごめんなさい。
まず1棟目。
チューリッヒから高速で15分ほど走ったハイウェイ沿いにある
“Marche”というレストランのオフィスビル。
実はチューリッヒに到着したまさにその日に、
空港から市内へ向かう途中
Yorkさん、Reneさん、Karimさんとともに晩御飯を食べたところで、
やたらふんだんに外装に木材を使ってたから、
かなり気になった建物だったのです。
同行した同僚に
「前ここでYorkと晩御飯食べた」
といったら、
「あんたたちどういう関係??」
と仰天されたのでした。
車じゃないと来れないかつ雰囲気のいい場所なのでね笑
それはさておき、
このオフィスビルの設計・運営理念は、
「とにかく環境負荷を抑える!」
ということで、
屋根面に太陽光エネルギーを受容する装置を設置して、
開口部からの日射取得も積極的に行って、
室内のに蓄熱体としてセラミックと木材チップのコンポジット(もちろん黒色)を多用して、
当然十分な断熱と、
特殊な換気システムを備えた建物でした。
目標は生産エネルギーと消費エネルギーがバランスすることらしく、
堂々と「スイスでじはじめての0エネルギー建築」と銘打たれています。
ちなみに竣工は2007年と言ってたはず。
構造は木造3階建(基礎と階段まわりはRC)。
構造の断面をじっくりみれなかったのでやや不確かですが、
ストレストスキンパネルの空隙をグラスウールで充填する工法のようでした。
いわゆるマッシブホルツの類ではなく。
間違ってたらごめんなさい。
たしか断熱層(つまり空隙部)の厚さが320mmと言ってた気がします。
建具も断熱性能に優れたものを多様していて、
特に素材(フリー板が3層に直交積層されたようなものを想像してください)の活かし方や
造作の丁寧さが印象的でした。
内装や家具も前述の“積層フリー板”を使って
これでもかっ!てくらい木質感をアピールしていて、
多分用途と規模から考えたら日本では(多分)できないような仕上げでした。
ちなみに内装の木質部はなんか塗ったりとかは一切せず、
巾矧の積層接着はされてはいますが、
無垢感を残していたのもポイント。
素材自体のテクスチャーは欧州のホワイトウッド系のいかにもな感じな上、
特別磨いたりとかしているわけでもなかったので、
ちょっと粗っぽいというか、半端な仕上げになっていて、
好みが分かれるかもといった印象です。
叩いたらいかにも薄いような軽い音がするし。
ちなみに各部の施工精度もちょっと粗かったかも。
わざわざあらさがししなきゃ気づかない程度な気もしますが。
この物件に関しては、
総じて、木材利用の利点をとにかく強調していたのが印象的でした。
炭素貯蔵とか、断熱・調湿機能とかですね。
ちょうど日本で近年ずっと叫ばれてる木材利用の必要性から、
林業再建の観点をすぽっと抜いた感じです。
実際法規制が日本より穏やかなのか、
「日本は木造、ヨーロッパは石造」
というステレオタイプを完全に覆すくらい、
伝統的な木材利用(住宅とかね)はもちろんのこと、
建築あるいはインフラにおけるい「モダンな」木材利用は
毎日どこかしらで目にします。
集成材むき出しのガソリンスタンドの屋根架構とか、日本では想像できないものもたくさん。
社会背景の違いはあるものの、
単純な木材の利活用の程度から言うと正直日本は遅れている印象です。
今後そういうのもこのブログで紹介できればと思います。
最後に“Marche”のウェブサイトはこちらです↓。
オフィスの建物のギャラリーとが、理念も紹介されているので、
興味がある方はぜひ。
http://marche.moevenpick.com/#/unternehmenindex/empty/-1/empty/en/
もう一棟の見学記録はまた後日にでも。
なんだかスーパーマニアックな記事になってしまった。